高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は奈良高専を紹介!
奈良工業高等専門学校は、創造の意欲・幅広い視野・自律と友愛を教育理念として、1964年(昭和39年)に“歴史の地”奈良に創立されました。2024年に還暦を迎え、2025年を「新生元年」として新たな一歩を踏み出しています。現在は、本科は5つの学科(機械・電気・電子制御・情報・物質化学)、専攻科は2つの専攻(システム創成・物質創成)にて構成されていますが、本科については2027年度入学生より「専門分野にもAIにも強い奈良高専」をモットーとした組織の改革を行う予定です。具体的には、現行の機械・電気・電子制御工学科を「システムデザイン工学科・1学科3コース」、情報工学科を「情報科学科・1学科2コース」、物質化学工学科を「物質創成化学科」に再編することを計画しています。
続いて、「○○○、だから奈良高専」というテーマに沿って、学生からの声を中心に、奈良高専を紹介します。
「未来の夢への通過点」・「未来に続くその原点」、だから奈良高専
奈良高専では、未来における(社会に出たあとの)学生の活躍の礎を築きあげるために、地域創生教育を通したイノベーション能力の育成、グローバル教育、アントレプレナーシップ教育などに力を入れています。地域創生教育においては、地域創生の使命感の認識→地域企業との出会い→地域における活躍の場の発見→新規事業の創出、という流れを本科1年生から専攻科2年生までで作り上げるプログラムを実施しています。
グローバル教育においては、これからの時代においては欠かすことができない異文化交流などを単位化し、学校としてグローバル活動への参加を強く推奨しています。その他、アントレプレナーシップ教育にも力を入れ、その一環として考案された「ハマルガード」の開発は、参議院の国土交通委員会にて「是非参考にしていただきたい取組」として取り上げられました。(ハマルガード:車椅子が踏切を通行する際に落輪しないように工夫された装置)
進路においては、例年卒業生の6割程度が国公立大学を中心とした大学編入等の進学、4割程度が大企業を中心とした就職となっています。幅広い進路にて、社会に出て大いに活躍しています!

ハマルガードを開発した学生=奈良高専提供
「“やりたい”ができる」・「やりたいこと一直線」、だから奈良高専
この2つ以外にも、「『好き』と向き合える」、「『つくりたい』を叶える」、だから奈良高専、といった同様の声も寄せられました。高専では課「内」活動となる学業が最優先とはなりますが、課「外」活動においても、たとえば「高専といえば?」の問いに対して最もよくあげられるものの1つが「ロボコン(アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト)」です。
本校は、ロボコンの最高栄誉であるロボコン大賞をこれまで4度受賞しています。中でも奈良高専マスコットキャラクター「じゃんぺん」は、2013年のロボコンで準優勝を受賞し、2017年にロボットによる縄跳びのギネス記録に認定され、今でもイベントで活躍し現役で動いています!
また、最近では、在学生が第57回国際化学オリンピックにて金賞を獲得するという、大変な偉業を成し遂げました。体育系のクラブ活動においても、ラグビー部が全国高専大会で7度優勝するなど、多方面で活躍しています。
【奈良高専へのアクセス】
■電車
近鉄橿原線 近鉄郡山駅
JR大和路線 大和小泉駅
各駅から奈良高専まで徒歩で30分程度、自転車/バスで15分程度となります。大阪梅田駅や京都駅から最寄り駅までは60分以内です。9時始業ですので、多方面から通学が可能となっています。