世界の人たちと生きる これからの日本【月刊ニュースがわかる11月号】

寒くなると、どうしておしっこが近くなる? 【疑問氷解】

Q 寒くなると、どうしておしっこが近くなるの?(大阪府守口市、小5)

気温の変化で体が反応

  A おしっこは、血液の中のいらなくなった物を体の外に出すためのものです。おなかの後ろ側にある腎臓という臓器が、血液からいらなくなった物を取り出し、血液中の水分と一緒におしっことして外に出すのです。

 人間は、暑い夏には汗をたくさんかきます。そのため、体の中から水分が少しずつ出て行きます。人間の体は、代わりにおしっこの回数を少なくして、体から水分がなくならないように調節しています。

 一方、冬になって寒くなると、あまり汗をかきません。体の中に水分がたくさん残っているので、捨てたい分はすべておしっことして出さざるを得ません。そのためにおしっこの量が増え、必然的にトイレに行く回数も増えるのです。つまり、寒い時期におしっこの回数が増えるというのは、気温の変化に合わせた体の自然の反応なのです。

 ほかにも理由はあります。おしっこをためるぼうこうの筋肉が寒さで縮みやすくなり、おしっこを出そうとする神経の働きが強くなります。その結果、脳におしっこの合図を送ってしまい、トイレが近くなります。

 みなさんは、おしっこをした時に「ブルッ」と震えたことはありませんか? これは、おしっこによって体の熱が奪われることから発生する現象です。寒さで体が冷えているところに、温かいおしっこが一気に体の外に出てしまうと、相当な量の体の熱が失われることになります。そこで、「ブルッ」と震えることで、体の熱を作り出しているのです。

 寒い時におしっこの回数を減らすためには、体を冷やさないことが大切です。コーヒーなどのカフェインを含む飲み物を控え、適度な運動をしたり、お風呂に入ったりすることで体の中から温めましょう。

 おしっこは健康のバロメーターでもあります。腎臓がうまく働かなくなると、おしっこに血やたんぱく質が出てしまいます。おしっこの中に血が混じると、腎炎やがん、ぼうこう炎などの可能性もあります。おしっこの色の異変に気づいたら、病院に行くことをおすすめします。【毎日小学生新聞編集部】(2018年1月8日掲載)

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