楽しみながら続ける 防災アクション10【ニュースがわかる9月号】

小学生の空手日本一を決める大会が開催

 日本生まれの武道スポーツ、空手。東京2020オリンピックでは、競技種目の一つになりました。世界では、空手の愛好者は1億3000万人以上といわれています。空手は礼儀を大切にする「武道スポーツ」で、子どもからお年寄りまでだれでもできることが人気の理由かもしれません。そんな空手の小学生日本一を決める大会「エアトリ杯第25回全日本少年少女空手道選手権大会(全少大会)」が、2025年8月21日から24日までの4日間、東京武道館で開催されました。

「形」と「組手」がある

 空手には、「形(かた)」と「組手(くみて)」の2つの種目があります。

 形では、敵をイメージしながら攻撃したり、技を受けたりする動作を演じます。動作を演じることを「演武(えんぶ)」といいます。演武は、1人または1チーム3人で行い、審判が技の正確さやスピード、力強さなどを評価して勝ち負けを決めます。

 組手は、突き、蹴り、打ちなどの技を使って2人の選手が実際に戦います。技が決まるとポイントが入ります。頭部への蹴りなど、むずかしい技のほうが高ポイントです。全少大会には、日本全国から集まった小学生1〜6年生4000人以上が参加。8月23日(土)は小学6年生の試合が行われ、男子形、女子形、男子組手、女子組手の4部門に分かれて、それぞれの優勝者が日本一となります。

男子形 優勝者インタビュー

 男子形で優勝したのは、千葉県の鳥海陽詩(とりうみ・はると)選手です。鳥海選手は「カンクウダイ」という形を、気合いをこめて演武しました。

 「腰をしっかり落とすなど、細かいところまで意識して演武しました。今まででいちばんうまくいったと思います。優勝したのが、夢じゃないかと思ったほどうれしいです。勝った瞬間、うれしさを一番にママに伝えたいと思いました」(鳥海選手)

女子形 優勝者インタビュー

 茨城県の岡元杏樺(おかもと・きょうか)選手は、「クルルンファ」という形で決勝に挑みました。相手は昨年3位の選手でしたが、岡元選手はメリハリのきいた演武を披露し、みごと優勝しました。

「2回目の蹴りを絶対に決めようと思いながら演武しました。お母さんと誰よりも練習してきたので、本当にうれしいです。中学校に進学したら、中学生の大会でも優勝して、3連覇するのが目標です」(岡元選手)

男子組手 優勝者インタビュー

 決勝戦は、青帯の小西蒼司(こにし・あおじ)選手(神奈川)と、赤帯の西野悠陽(にしの・ゆうや)選手(大阪)の対戦です。西野選手は、昨年も全少大会5年生の部で優勝しています。試合が始まり、先制したのは西野選手。前半はポイントの取り合いでしたが、後半になって西野選手が逆転し、そのままポイントを重ねて5-4で勝利しました。

「最初にポイントを取れたけれど、逆転されたときはあせりました。でも、前蹴りの蹴込みがうまくいってよかったです。中学校に入ったら、1年生から大会出場メンバーに入って活躍したいです」(西野選手)

女子組手 優勝者インタビュー

 青帯は、昨年準優勝でくやし涙をながした清水優桜(しみず・まお)選手(京都)。赤帯は、昨年3位の村上栞菜(むらかみ・かんな)選手(岐阜)。いずれも長身の実力者どうしです。試合が始まると、いきなり清水選手の蹴りが決まります。その勢いのまま清水選手がポイントを重ね、30秒以上を残して勝負がつきました。

「今日は勝てる気がしていました。相手の技への対応も、試合の流れもうまくいって、めちゃくちゃ最高です! 6年生の最後にある全少選抜大会でも優勝を目指します。がんばります」(清水選手)

取材・文/市原淳子 撮影/政川慎治