Q ティッシュペーパーはなぜ2枚重ねなの?(埼玉県和光市、小4)
柔らかさと水を吸収するため
A ティッシュは必ず2枚重ねになっていますが、同じ厚みの1枚ではだめなのですかという疑問が寄せられました。ティッシュやトイレットペーパーなどを作る王子ネピアで、商品の研究・開発をしている永谷宏幸さんに理由を教えてもらいました。
同社では1972年からティッシュの販売を始めており、当時から2枚重ねだったそうです。理由の一つ目は、2枚のティッシュの間にできた隙間で水分を吸収するからです。ティッシュは、ユーカリやアカシアなどの木が原材料です。ティッシュの断面を顕微鏡で拡大すると、木の繊維がからみあっていることが分かります。この繊維と繊維の間の隙間に、水分をためこむことができるのです。2枚重ねのティッシュには、ティッシュとティッシュの間にもこの隙間ができるため、1枚のティッシュより多くの水分を吸収することができます。
二つ目の理由は、柔らかい肌触りにするためです。ティッシュを1枚で作るためには、2枚重ねたものに比べて、倍の強さのある紙が必要です。強い紙はその分硬くなるので、鼻をかむ時などに、皮膚を傷つけてしまいます。同じ強さを保つためには、1枚の厚い紙よりも、薄い紙を重ねた方が柔らかくなるのです。また、ティッシュには表と裏があります。裏はざらざらとしているため、裏同士を内側にして重ねることで、柔らかい面が肌に触れるようにしているそうです。
【毎日小学生新聞編集部】(毎日小学生新聞2017年3月5日掲載)
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