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高専に行こう!小山高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は小山高専を紹介!

 小山高専は58年前の昭和40年(1965年)に栃木県小山市に設置されました。
在学中は 4つの学科(機械工学科、電気電子創造工学科、物質工学科、建築学科)の幅広い教育に加えて6学年上の先輩との交流が可能で、自分の興味ある分野の勉強とともに、各学科の力を結集させて興味あるものづくりに取り組むこともできます。

小山高専の特色ある取組みをピックアップして紹介します。

■高専ロボコンプロジェクト
高専ロボコンとは、毎年の競技ルールに沿って「自らの頭で考え、自らの手でロボットを作る」競技会です。ロボットを完成させ動かすまでの苦労も含めて、ロボコンに参加したいために小山高専に入学したという学生の声をしばしば耳にします。

■Craft Team STARSS
STARSSは「ものづくりの楽しさを広める」ことを目的に活動している有志団体です。STARSSの行っているローラーコースタープロジェクトは、「人が乗ることができるコースターを自分たちの手で作りたい」と考えた在学生が3年の月日をかけて実現させたプロジェクトです。各学科学生の専門知識を結集し教職員による指導・サポートを受け、2022年と2023年には学園祭(工陵祭)で実際に来場者が乗れるコースターをお披露目できました。

Craft Team STARSSのメンバー(小山高専提供)

■ダイバーシティ型STEAM人材育成プロジェクト(以下「STEAM-P」)
在学生向けの教育とともに小山高専が取り組む代表的なプロジェクトの一つです。STEAM-Pでは、
・訪問型(サイエンスキャラバン:各地を訪問して理工系の学びの楽しさや職業の魅力を伝える
・招待型(ロールモデルトーク、紹介パンフレット:女性エンジニアの活躍を紹介し自分の将来を考えるきっかけを提供)
・育成型(ジュニア技術者育成道場:高専での授業体験など)
という、小中学生の理工系への興味に応じた多彩な企画を展開し、将来の理系人材の育成教育に取り組んでいます。卒業生、修了生にも体験談の紹介などでこれらのプロジェクトに協力してもらっています。

 サイエンスキャラバンの様子(小山高専提供)

 これらの学びや経験を重ねた在学生らの進路は、就職または進学の割合がおよそ半々です。就職については毎年30倍程度の求人倍率とほぼ100%の就職率を維持し、進学については本科卒業生は国立大学等への編入学や専攻科への進学、専攻科修了生は就職することも大学院に進学することもでき、学生の希望に応じて様々な進路選択が可能になっています。この就職と進学のバランスが取れた進路構成は本校の特色となっています。

【小山高専へのアクセス】
所在地:栃木県小山市大字中久喜771
公共交通:JR小山駅東口より、小山市コミュニティバス「おーバス」
(城東中久喜線)で「高専正門」下車(バス所要時間約25分)、 徒歩1分
(高岳線)で「小山高専入口」下車(バス所要時間約17分)、徒歩5分