「戦後80年企画」80年前の子どもたち【ニュースがわかる8月号】

原子力も「最大限活用」へ  「ニュース検定」がわかりやすく解説

新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。

 政府が2024年12月に公表した「エネルギー基本計画」の改定案では、原子力発電所についても「最大限活用する」と明記された。東京電力福島第1原発事故(2011年)後、政府は原発について 一貫して「依存度を可能な限り下げる」との方針を掲げ、「原発の新設・増設や 建て替えを想定していない」との立場を取ってきた。しかし、今回の改定案では「依存度を可能な限り下げる」との文言が削除され、安全性を第一に最大限活用していく方針が示された。

 また、原発の建て替えについても、廃炉が決まった原発の敷地内に限って認めるとの方針を2023年に示していたが、さらに緩めて、同じ電力会社が所有する別の原発の敷地内に、建て替えとして新たに建設することを認めている。

高まる電力需要にも対応

 政府がこれまでの方針から大きく 転換した理由として、例えば人工知能(AI)の普及や半導体産業の強化によって今後、電力需要がさらに増えると見込まれ、それを補う電源が必要であることが挙げられる。また、原発は発電時に二酸化炭素を出さないほか、天候に作用されず安定的に発電できる「ベースロード電源」にも位置付けられている。政府は「脱炭素」と「化石燃料に依存しない形で電力を安定供給すること」の両方を実現するためには、原発が不可欠だと判断した。

 ただ、政府の方針転換に「福島の事故を忘れたのか」といった憤りの声も聞かれるほか、原発の安全性を心配する声も根強くある。まずは、原発が立地する地方自治体の理解を前提に進めることが求められている。

      「2025年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より

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ニュース検定とは?

 「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。

 『ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「平和な世界どうやって」など27のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。

 検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。

次回の検定はいつなの?

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