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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

高度数学のAIで課題解決するアリスマーのスゴさ【起業家から君へ】

話を聞いたひと 大田佳宏(おおた よしひろ)さん Arithmer(アリスマー)代表取締役社長兼CEO

週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2021」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。※エコノミストオンライン「挑戦者2021」はこちら

高度数学を使えば、複雑な現実の問題を解くことができる──。その思いが今、形となって、世の中のさまざまな場面で採用が広がっている。

 高度な数学を使ってAI(人工知能)を開発し、社会問題を解決することがミッション(使命)です。顧客視点で「ニーズ」を何でも素早く解決でき、事業分野は多岐にわたります。

 防災関連でいえば、ドローンに搭載したレーダーで計測したデータを基にAIで三次元地図を作成します。地図画面上で石ころ一つをクリックするだけで緯度・経度・高度・材質が全部出てくる精度です。豪雨による浸水シミュレーションは水の流れをセンチ単位で予測して浸水被害を算出できます。通常なら膨大な画像処理で数カ月かかるところを数時間ででき、いち早く避難することも可能です。実際、浸水シミュレーションは災害後の保険金支払いに役立つとして、損害保険大手に採用されました。

 我々の独自のアルゴリズム(計算方法)だからできることです。津波が来たら何センチ浸水するか、地震があれば地震の規模(マグニチュード)によってどのような被害になるかというシミュレーションも迅速に実行できます。

 なぜ、そんなに速くできるのか。数学で課題を解くときに二つの方法があります。一つは課題に対して、「定式化」したアルゴリズムを適用することですが、ただ、それを使っても1~2割しか時短になりません。そこで、もう一つの方法として、我々は「定式化」自体を自分たちで作り直すことで、7~8割速く最適解を求められるようになりました。

こどもの頃はどんな性格でしたか?

おとなしくて目立たない性格でした。

■こどもの頃の夢を教えてください。

算数の先生かパン屋さんになりたかったです。

■こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。

算数の本か漫画をよく読んでいました。

仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。

難しい問題が解けた時や、お客様からありがとうと言われた時、仕事をしていてよかったと思います。仕事が好きなので、あまり大変だと感じることはありません。

■子どもたちにメッセージをお願いします。

好きな事を見つけて、どんどん究めていってほしいと思います。      (聞き手=中園 敦二・エコノミスト編集部)