「戦後80年企画」80年前の子どもたち【ニュースがわかる8月号】

高専に行こう!北九州高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は北九州高専を紹介!

 北九州工業高等専門学校は、昭和40年に設立された国立工業高専です。設立当初は機械工学科2クラス、電気工学科1クラスの2学科からスタートしました。その後、時代の流れに合わせ、「生産デザイン工学科」に機械創造システムコース、知能ロボットシステムコース、電気電子コース、情報システムコース、物質化学コースを設置し「1学科5コース制」としています。
 生産デザイン工学科では、入学時に学科やコースを決めておく必要はなく、入学後に様々な学びや情報を通して、2年生の後期から専門コースに配属されます。また、本科を卒業後、同じキャンパスでさらに2年間の高度な専門教育を学ぶことができる専攻科を設置しています。
 また、北九州高専は、「明るい未来を創造する開拓型エンジニアの育成」を理念に掲げ、これまで多くの優秀な人財を輩出してきました。例年、本科卒業生の約6割はその専門性を活かして就職し、約4割は北九州高専専攻科への進学や国立大学工学部の第3年次へ編入学しています。
 北九州高専は、全国でも珍しい政令指定都市にキャンパスを設置する高専です。ターミナル駅である小倉駅からキャンパスの最寄り駅やバス停まで、西鉄バスで40分、北九州モノレールで18分、JRで20分とアクセスに大変恵まれていて、しばしば都市型高専と呼ばれています。主に福岡県、山口県、大分県からの通学生と、遠く県外から入学した学生や外国人留学生は、学生寮で生活をしながら学んでいます。

COMPASS5.0 ロボット拠点校

 ロボコンで有名な高専ですが、北九州高専はロボットに関する教育の拠点校として、全国の高専へ貢献してきました。北九州市には有名メーカーの拠点があり、産学官連携によるロボットの利活用を、積極的に教育と研究に取り入れ、デジタルものづくりや社会実装といった観点から教材開発を行っています。

家庭用サービスロボットによるデモンストレーション(北九州高専提供)

高専GCON(高専GIRLS SDGs×Technology Contest)

 北九州高専では学年ごとに27~31%の割合で女子学生が学んでいます。大学の工学部では、一般的におよそ15%と言われており、相対的に高い割合になっています。
現在、女性の理系人材の育成は非常に重要視されています。高専GCONは、SDGsの理念を理解し、女子学生がチーム形式で社会の課題を見出し、その課題解決のための技術を競うコンテストで、北九州高専でも積極的に出場しており、2022年にはNit Kit抗体LABチームが企業賞を獲得しました。北九州高専はこれからも中学校の女子生徒の皆さんが理系の進路を選択し、学び、研究し、社会で活躍できるように教育、研究に取り組んでいきます。

実験中の女子学生(北九州高専提供)

【アクセス】
■JR
小倉駅から日田彦山線に乗車、志井公園駅下車(約20分)
志井公園駅から学校まで徒歩約15分

■モノレール
小倉駅から北九州モノレールに乗車、志井駅または企救丘駅下車(約18~20分)
志井駅または企救丘駅から徒歩約15分

■バス
小倉駅バスセンター3番乗り場から西鉄バス34系統に乗車、北九州高専前バス停下車(約41分)
北九州高専前バス停から徒歩約2分