10代のうちに強くする! 骨のチカラ【月刊ニュースがわかる5月号】

高専に行こう! 鈴鹿高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は鈴鹿高専を紹介!

 鈴鹿高専は、1962年に設立され、全国で初めて作られた高専(一期校)の一つです。60年以上の長い歴史を持ち、四日市工業地帯に近いという地の利を活かし、多くの卒業生が地元や全国各地の企業で活躍しています。また、近隣にはF1日本グランプリや鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催される鈴鹿サーキットがあり、レース時にはその迫力あるエンジン音がキャンパスまで届きます。さらに、学校の周辺には駅や商業施設、コンビニなどがそろい、生活に便利な環境が整っています。

 みなさんの未来を支える新しい技術を生み出すには、新しい機械の設計や組み立てが必要です。また、その機械を安全かつ効率的に動かすためには、電気や回路、プログラミングの仕組みを理解することも重要です。さらに、これまでにない性能の機械を作り出すためには、新しい材料の性質を調査し、開発することが求められ、新しい材料を生み出すためには、新しい分子の設計や、細胞や微生物を扱う技術などを学ぶことも重要です。本校には「機械工学科」「電気電子工学科」「電子情報工学科」「生物応用化学科」「材料工学科」の5つの学科があり、これらの最先端技術を学ぶことができます。

「スタートアップ教育の一環として高専ビジネスコンテストin鈴鹿高専2024を開催」

 本校を卒業すると、様々な分野の企業でエンジニアとして活躍することができます。また、知識をさらに深めたい人は、本校の専攻科や国立大学の第3年次に編入してより高度な学びを続けることも可能です。就職先は、各分野のトップ企業が多く、進学先の大学も自分のやりたい研究を基に選ぶことができます。鈴鹿高専では、将来の夢に向かって様々な選択肢が広がっています。

 現在、全国の高専ではモデルコアカリキュラム(MCC)を基に、各校の地域性や特色を活かすための科目を追加し、特色ある教育プログラムが提供されています。また、社会のニーズに応じて、情報処理や生成AI、半導体、国際化などをキーワードに掲げ、教育環境の改善に取り組んでいます。全国の高専が特色を競い合う中で、皆さんにとっての本当の付加価値は「教育・研究以外にどのような経験が得られるのか」という点になるのかもしれません。

「国際化の一環としてグローバルキャンプを開催(鈴鹿サーキットにて集合写真)」


 鈴鹿高専では教育や研究はもちろんのこと、プロジェクト活動、部活動、社会貢献などにも積極的に取り組むことができ、在学生は様々な場面で活躍しています。本校が掲げる「“技術者はすべからく紳士・淑女たれ” 専門教育の一層の高度化や創造力の育成が強く求められる現代であっても、知・徳・体バランスの取れた人間教育(全人教育)を重視する」という建学の精神に共感してもらえると嬉しいです。

【鈴鹿高専へのアクセス】
近鉄名古屋線白子駅下車、三重交通バス白子駅西口から平田町駅行又は鈴鹿サーキット行に乗車約10分、東旭が丘3丁目で下車徒歩約7分。