新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
米国では2025年1月、「タリフ(関税*)マン」を自称するトランプ氏が大統領に就任した。大統領に当選した直後からメキシコやカナダ、中国への関税引き上げ方針を明らかにし、欧州や日本など同盟国にも対象を広げる構えだ。米国のこうした保護主義的な関税政策に対し、各国・地域や対抗措置を取れば、貿易摩擦はますます激化する。世界経済の成長を支えた自由貿易・国際分業体制は、大きく変わる可能性がある。
<トランプ大統領による関税大幅引き上げに賛成だ>
・海外からの安い輸入品に押されて、米国内の製造業などが衰退し、雇用など労働者の不安拡大につながっていることは事実だ。そもそも自国産業を守る可能性は全ての国に認められており、米国社会の分断を食い止めるためにも必要だ。
・関税を大幅に引き上げて中国経済に打撃を与えれば、覇権主義(政治、経済、軍事などの分野で他国に介入し、主権を侵害すること)的な行動を強める中国の世界的影響を弱められる。
<トランプ大統領による関税大幅引き上げに反対だ>
・現在、米国民が最も苦しんでいるのはインフレーションだ。関税を引き上げることで米国内の物価がさらに上昇することが予想されるため、労働者らの不満の解消につながるとは限らない。
・米国の関税が引き上げられれば、行き場を失った中国製品は欧州などに流入し、新たな対立を招きかねない。第二次世界大戦は関税引き上げなどで各国が保護主義を強めたことが引き金になっており、世界情勢の不安定化がさらに進みかねない。
*関税とは……海外からの輸入品に、輸入国側が課す税金。安価な輸入品の流入によって国内産業が打撃を受けるのを防ぐのが主な目的だ。関税がかけられた輸入品の価格は高くなるため、国内の消費者にとっては負担増となる。
「2025年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より
**毎週水曜日、金曜日に更新予定**
書影をクリックすると本の通販サイト「Amazon」のサイトにジャンプします
ニュース検定とは?
「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。
『ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「平和な世界どうやって」など27のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。
検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。
次回の検定はいつなの?
「ニュース検定」で次回の検定日や、お近くの試験会場などご覧いただけます。
ニュース検定の問題に挑戦してみよう!
公式サイトで模擬問題や過去問題を公開しています。力試しをしてみましょう。