10代のうちに強くする! 骨のチカラ【月刊ニュースがわかる5月号】

ノンアルコール飲料は子どもが飲んでもいいの?【疑問氷解】

Q ノンアルコール飲料は子どもが飲んでもいいの?(京都府福知山市、中2)

法律上はOKだけどなるべく飲まないで

 A ノンアルコール飲料はアルコール度数が0.00%で、味わいがお酒に似ているものです。0.00%とは、0.005%未満を意味します。アルコール度数は、飲み物の中に含まれるアルコールの割合を表しています。ビールは約5%、ワインは10~15%、日本酒は約15%です。

 お酒を飲める年齢は、法律で決まっています。1922年に定められた「未成年者飲酒禁止法」で、20歳未満の飲酒は禁止されました。2022年4月に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられると、「未成年者飲酒禁止法」の名称は、「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」に変更されました。成人年齢が18歳になっても、お酒を飲める年齢はこれまで同様に20歳以上のままです。

 20歳未満は体や脳が成長段階にあります。アルコールを分解する力が弱いため、飲酒が体に悪い影響を及ぼします。学習能力、集中力、記憶力など脳の機能が低下する、肝臓などの臓器に障害を起こしやすくなる、性ホルモンの分泌に異常がおきる、お酒がやめられないアルコール依存症になりやすくなる――などです。

 法律では、親は子どもの飲酒を止めなければいけない、販売店や飲食店は20歳未満の者にお酒を売ったり、飲ませたりしてはいけないといったことが定められています。20歳未満が飲酒した場合、監督者である大人が罰せられます。20歳未満は罰せられませんが、停学や退学、部活動の停止など、取り返しのつかない事態になることもあります。

 ノンアルコール飲料を子どもが飲んでも法律上の問題はありません。しかし、その飲料を作っている会社は、20歳以上に向けた商品としているため、20歳未満には勧めていません。アルコール健康医学協会は「ノンアルコール飲料は、味や香りをお酒に似せています。それを子どもが飲むことで、アルコールを飲み始めるきっかけになる可能性があるからです」と説明します。

 ノンアルコール飲料は02年に道路交通法が改正され、飲酒運転の取り締まりが強化されたことで普及しました。

 日本の酒税法では、アルコール度数が1%以上のものをお酒と定めています。ノンアルコール飲料は当初、アルコール度数が1%未満の商品を指していました。しかし、少量のアルコールを含むのに「ノンアルコール飲料」と表示するのは消費者に誤解を与えるとして、国の公正取引委員会は03年に「適正な表示」を求めました。

 【毎日小学生新聞編集部・篠口純子】
(毎日小学生新聞2023年6月19日掲載) 

★「疑問氷解」は毎日小学生新聞で毎週月曜日連載中!