ニュースがわかるオンラインの人気セミナー「保護者のための中学受験攻略セミナー」の講師が、2025年度の中学入試のために押さえておくべき時事ニュースを、出題ポイントと合わせて解説します。
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◆未来社会の課題を解決
大阪・関西万博は2025年4月13日~2025年10月13日までの約6か月間、日本の大阪で開催される、国際的な注目を集める重要なイベントです。今回の万博は、世界中からの参加を促し、未来社会におけるさまざまな課題を解決するための新しいアイデアや技術を紹介する場となります。メインテーマには「いのち輝く未来社会のデザイン」、サブテーマには「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」が設定されています。
万博の会場では、世界各国や企業が独自のパビリオン(展示館)を設け、文化や技術を紹介します。特に環境問題やAI(人工知能)、ロボティクス、SDGsに関する展示などが行われ、参加者は未来社会のビジョンを体験できます。たとえば、AIを活用した医療技術や、持続可能なエネルギーの利用方法などが具体的に紹介され、来場者はこれらの技術がどのように日常生活に役立つかを学ぶことができます。
また、開催期間中にセミナーやワークショップ、パフォーマンスなど、多彩なイベントが予定されています。専門家による講演や、最新技術の実演、さらにはアートや音楽を通じた文化交流も行われ、来場者はさまざまな角度から未来を考えることができます。

オーストリア共和国のパビリオンでは、「オーストリア:未来を作曲」をテーマに、AIによる最新技術での作曲を体験できる
大阪・関西万博の開催によって、さまざまな恩恵も期待されています。
まずは経済効果。大阪市内や周辺地域への観光客が増加し、地域経済の活性化が図られるとともに、世界各国との交流も進むでしょう。地域の特産品や文化を発信する絶好の機会でもあるため、地元企業や商業施設にとっては大きな効果をもたらす可能性が高いと見られます。
また、環境問題や社会的な課題に対する意識が高まることも期待ができます。今回の万博は持続可能な社会の実現に向けた重要な議論の場でもあるため、次世代に向けた解決策を模索するにはうってつけです。一般の参加者にとっても、気候変動や資源の枯渇といったグローバルな問題に対してどのように取り組むべきかを考えるいいきっかけになります。
このように、大阪・関西万博は未来社会に向けた新しいアイデアや技術を集める重要なイベントであり、国内外からの注目を集めています。
◆中学入試での出題ポイント
今年度の中学入試で特に出題されそうなポイントは、【1】大阪・関西万博のテーマに関連する事柄、【2】日本で開催された国際博覧会に関連する事柄――の二つです。
【1】については、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに関連して、持続可能な社会に関する問題の出題が予測されます。具体的には地球温暖化や再生可能エネルギー、リサイクル技術などの技術革新に焦点を当て、受験生が具体的な解決策を考察する力を問う内容などです。
また、SDGs(持続可能な開発目標)を題材に、万博が国際協力を通じて目標達成にどのように貢献できるかを議論させる問題も出題される可能性があります。
【2】については、これまで日本で開催された国際博覧会について理解しておきましょう。具体的には、1970年の「大阪万博」、1975年の「沖縄海洋博」、1985年の「つくば博」、1990年の「大阪園芸博」、2005年の「愛・地球博」があります。特に1970年の大阪万博は、岡本太郎の「太陽の塔」が象徴的で、「芸術は爆発だ」という名言で広く知られています。開催の年と場所を整理しておきましょう。
また、万博のキャラクターとその特徴もおさえておきましょう。1985年の「つくば博」のキャラクターは未来や宇宙をイメージした「コスモ星丸」、2005年の「愛・地球博」では自然との共生を象徴する「モリゾー」と「キッコロ」、2025年の「大阪・関西万博」では生命と自然の循環を表現した「ミャクミャク」がそれぞれ登場しました。

愛・地球博の公式キャラクターだったモリゾーとキッコロ