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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

宇宙にも天気予報がある?

「午後は降水確率50%」と聞いて傘を持って出かけたり、「今日は全国的に晴れ」なら外に遊びに行ったりしますよね。空の様子は毎日のように変わり、それが生活や仕事に影響するため、天気予報はなくてはならない情報です。実は、宇宙にも天気予報があるって、知っていましたか?

宇宙天気予報といっても、「金星は雨、土星は嵐」というような予報ではありません。「宇宙天気」は、太陽の活動によって地球に影響がある宇宙環境の変動のことで、この変化によっては人工衛星や通信などに障害が起こる可能性があります。そのため、太陽活動の変化による影響を予測するのが「宇宙天気予報」です。

太陽は常に活動していて、おだやかな時もあれば、表面で大規模な爆発現象(太陽フレア)が起こり、嵐のようにとても強い磁気が地球に影響を与える時もあります。宇宙天気が乱れる可能性があるときには、予報を航空会社や電力会社など様々なところに伝え、停電や通信障害などのトラブルが起こるのを防ぐために役立ててもらうのです。天気予報で台風や大雨になると事前にわかっていれば、被害ができるだけ小さくなるように対策を考えることができますよね。宇宙天気予報も、それと同じです。

大きな太陽フレアは、とてつもないエネルギーを持っています。過去には、巨大なフレアが原因でカナダやスウェーデンで大規模な停電が発生したことがあります。ほかにも、電波を使った通信ができなくなったり、普段は見られない国でオーロラが発生したこともあります。科学技術の進歩によって、人工衛星を利用したサービスや通信が当たり前になったいまの社会では、宇宙天気がとても重要になってきています。

宇宙天気予報は、普通の天気予報よりも歴史が浅く、まだわかっていないことが多いため、予報がとても難しいそうです。宇宙天気予報は世界各国で行われており、日本では、情報通信研究機構・宇宙天気予報センターで毎日予報が出され、ウェブサイトなどで発表しています。(編集部)