巻頭特集では、小泉八雲の魅力や講談師さんらへのインタビューなどを通して「怪談」について学びましたね。ここでは「怖い話」の裏側をガッキー先生と一緒に考えてみましょう。


「怪談」って怖いけど、つい聞きたくなっちゃう。真っ暗な夜中にカーテンがちょっと開いているだけでも、お化けが出そうでドキッとするけどね
僕、小さい頃、「ウソをつくとえんま様に舌を抜かれるよ!!」ってお母さんによく言われてたんだ。だから、お化けよりえんま様のほうが怖い!


すご~く大きなえんま大王の像を見たことがあるよ。その迫力にびっくりしたけど、お寺にまつられてるってことは怖がらなくてもいいんじゃない?
その通り! えんま様は「地獄の裁判長」って聞くと怖いよね。でも、実はお地蔵さまの化身ともいわれている。先生は学生の時、いろいろなえんま像を訪ねてリポートを書いたんだけど、えんま様は悪い人を裁くだけじゃなくて、正しい道に導いてくれる存在でもあるんだよ


え〜、えんま様って本当は優しいの!? お化けや幽霊も、もしかしたら何か理由があって出てくるのかもね。見かけたら話しかけてみようかな
マジか!? だけど、昔の人は「月食」も怖かったし、キツネやタヌキは人を化かすって信じてたよね。怪異現象もちゃんと説明がつくようになるかもね


うちの親は「お化けが出るから夜ふかししちゃダメ」って言ってたの。そのおかげで早寝早起きになったから、お化けにありがとうって言いたいな
みんな、なかなか深いね。妖怪は、日本に昔からある「八百万の神」の考え方をベースに、理解できないことへの解釈として生まれたようだね。子どもたちに大切なことを伝える「教え」の役目もはたしていた。「怖い話」の裏側には、文化や歴史的な背景があるのかもしれない。「わからないから怖い」じゃなくて、ちょっとだけ調べてみたら、面白い世界が広がっていそうだね。

協力/日能研 イラスト/しばざき としえ