新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
国や地方自治体が、個人や企業から集めた税金や、国債・地方債を発行して借りたお金を元にやりくりすることを「財政」という。民間企業が手がけない警察・消防などの公共サービスや、社会保障(年金、医療など)、公共事業(道路のような社会資本の整備など)、教育、防衛――などが主な使い道だ。 財政には資源配分(公共財の供給など)▽所得の再分配▽景気の安定―の三つの役割がある。
政府の予算案は前年末に閣議決定
国、自治体の1年間の歳出 (支出)、歳入(収入)の計画(見積もり)を予算という。日本の場合、予算を管理する会計年度は4月1日~翌年3月31日だ。予算は一般会計(税収などを元に基本的な支出をする)と特別会計(社会保険料など特定の収入を特定の事業に支出する)に分けられる。単に予算というのは、一般会計を指すことが多い。
国の場合、各省庁が8月末までに翌年度に必要な予算を財務省に出し(概算要求)、年末までに新年度の予算案(当初予算案)を閣議決定する。この予算案は国会で可決(議決)されて初めて、使える予算になる。景気対策などのため、予算を年度途中に変更して補正予算を組むこともある。
社会保障費 国の歳出の約3割
少子高齢化の進行に伴い、 毎年度の当初予算編成では、社会保障費(一般会計歳出のうち、年金や医療、介護、少子化対策に充てる経費)が増えている。歳出が膨らむ要因で、政府の2025年度当初予算案も含め、 歳出の3割超を占める状態が続いている。
国債 借金のため国が発行
国が発行する債権を国債という。国債を買い取る銀行や企業、個人から一時的にお金を借りる。5年 や10年といった満期償還日が決められており、国はその間利息を払い、満期には元金を全額返済する。ただ 日本銀行による国債の直接引き受けは財政法で禁じられている(市中消化の原則)。
国債には、主に公共事業の支出を賄うための建設国債、歳入不足を埋めるための特例国債(赤字国債)、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するための復興債がある。
「2025年版ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」より
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ニュース検定とは?
「ニュース検定」は1級~5級まで6段階あります。1・2・準2級は大学生・一般が主な対象ですが、もちろん中高生でも受検できます。
『ニュース検定 公式テキスト「時事力」発展編(1・2・準2級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「平和な世界どうやって」など27のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。
検定の出題は、50分で各級45問。1級は四肢択一(選択肢から一つを選ぶ方式)と記述で、2・準2級はすべて四肢択一。2~5級の検定問題の約6割は、公式テキスト・問題集から出題されます。
次回の検定はいつなの?
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