Q どうやって炭酸をペットボトルに入れるの?(東京都北区、小4)
冷やして圧力かけ炭酸ガス溶かす
A 「三ツ矢サイダー」などの炭酸飲料を製造、販売しているアサヒ飲料の商品開発研究所で、炭酸飲料を担当している奥川奨さんに聞きました。
泡立って、飲むとシュワシュワする炭酸飲料は、味を付けた液体(ジュース)に、炭酸ガス(二酸化炭素)という気体を溶け込ませて作ります。その後、ペットボトルなどに詰めます。
商品によって異なりますが、アサヒ飲料の炭酸飲料の場合は、できあがった炭酸飲料の約2~4倍の体積の炭酸ガスが溶け込んでいます。例えば500ミリリットル入りの炭酸飲料には、だいたい1~2リットルの炭酸ガスが含まれていることになります。
炭酸ガスは、温度が低い方がよく溶けるため、冷やして高い圧力をかけ、通常では溶け込まないほどの量の炭酸ガスを溶け込ませています。それを容器に詰めます。
容器内の圧力は少し高いため炭酸ガスは溶け込んだままです。しかし、ふたを開けると圧力が弱まり、コップに注ぐとその刺激で、溶け込んでいた炭酸ガスが細かい泡になって出てきてシュワシュワになります。
日本で初めて炭酸飲料が発売されたのは1884年です。兵庫県多田村(現在の川西市)に湧き出ていた、炭酸ガスを含んでシュワシュワする水をびん詰めし、「三ツ矢平野水」として売り出しました。これが後の「三ツ矢サイダー」です。当時はかなり高価な飲み物で、「体に良い」「胃を強くする」などとされていました。胃が弱かった明治の文豪、夏目漱石もよく飲んでいたそうです。
炭酸飲料は、びんや缶入りのものと、ペットボトル入りのものでは、賞味期限が違います。一般的に、びんや缶は1年くらい、ペットボトル入りのものは6~7か月です。びんや缶と違い、ペットボトルは、ごくわずかながら気体を通してしまうため、中の炭酸飲料の水分や炭酸ガスが抜けたり、風味が落ちたりしやすいからです。
炭酸ガスは、冷たい方が液体に溶け込みやすいので、保存するときも冷やしておく方が炭酸が抜けにくく、シュワシュワを維持しておいしく飲めるそうです。【毎日小学生新聞編集部・大井明子】(毎日小学生新聞2019年3月26日掲載)

開封していない炭酸飲料は泡だっていません
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