高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は東京高専を紹介!
東京工業高等専門学校は1965年に設立された国立高専4期校であり、2025年に創立60周年を迎えました。日本遺産に認定されている桑都八王子市に位置するキャンパスには、約1,100名の学生が学んでいます。そのうち女子学生は約2割です。60年の歴史の中で卒業生は8,700人を超え、社会の第一線で技術者、研究者として活躍し、産業界はじめ各界から高い評価を得ています。1~5年生の本科は、機械、電気、電子、情報、物質の5学科、本科卒業後に進学できる2年間の専攻科は、機械情報、電気電子、物質工学の3専攻です。本校には、次のような特色があります。
「学科は入学してから選べます!」
本校では、第2学年進級時に正式な配属学科を決める「学科選択制度」を導入しています。新入生は工学の基礎や教養教育を受講しながら、各専門の基礎実験・実習を体験し、各学科の特徴や魅力を理解していきます。また、教員や上級生による「学科ガイダンス」や実験室、研究室を見学する機会もあります。このように「自分が何を学びたいのか」、「将来どんなことをしたいのか」を考えながら、じっくりと学科を選ぶことができます。
「挑戦がチカラになる!組み込みシステム開発マイスター制度」
本校独自のこの制度は、ものづくりの技術を学びたい有志の学生が学年学科を超えて放課後に集まり、自主的にスキル向上のための活動を行う1年間の課外活動です。 毎年多くの学生が参加しており、前期に学生同士で組み込みシステム開発に関わる様々な要素技術の演習講義を行ったのち、後期にチームで作品制作を行い最終成果報告会に臨みます。 1年間の活動を終えた学生には、「組み込みシステム開発マイスター」の認定証を授与する他、「ものづくり実践工学」として選択科目の単位認定を行います。
「課題に挑み、社会とつながる! 社会実装プロジェクト」
便利になった社会にも様々な課題が潜んでいます。本科4、5年生の必修科目である「社会実装プロジェクト」は、企業や地域社会などに見られるリアルな課題の解決を行いながら、イノベーションを実現できる技術者の育成を目指す教育プログラムです。学生は課題に対するプロトタイプを試作し、実際のユーザーからの評価を受けて改良を重ねるという一連のプロセスを経験します。この体験を通じて、自ら考え行動する力やチームワーク、ユーザーとの対話を重視する姿勢が育まれ、実社会で求められる問題解決力と応用力を身につけることができます。
東京高専に入学すると、自分の興味ある分野を見つけ、じっくり学びながら成長できます。将来、エンジニアや研究者を目指す小学生・中学生のみなさん、ぜひ東京高専で「あなたの学びをあなたのカタチに」してみませんか。
【東京高専へのアクセス】
■京王線
狭間駅(特急停車)から徒歩5分
めじろ台駅(特急停車)から徒歩15分 または タクシー5分
■JR中央線
高尾駅から徒歩25分
■京王バス
八王子駅南口から「めじろ台」行き17分 東京高専前下車、徒歩1分