高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は石川高専を紹介!
石川工業高等専門学校は、昭和40年4月に機械工学科、電気工学科、土木工学科で開校しました。その後昭和45年に建築学科が、昭和62年に電子情報工学科が増設されました。現在は機械工学科、電気工学科、電子情報工学科、環境都市工学科、建築学科の5学科と、電子機械工学専攻、環境建設工学専攻の専攻科2専攻で構成されています。さらに、環境都市工学科、建築学科は女子学生比率が高く、学校全体でも女子学生比率は約3割です。また、専攻科では1年次に2ヶ月間の長期インターンシップを実施しています。実務を通して企業が抱える課題や地域社会の問題に対処できる技術者としての基礎的能力を身につけることを目的としています。
先進的な専門技術と情報を融合したDX技術者への道が選択可能に
近年、先進的な専門技術と情報通信技術を融合して新たな価値を生み出すことができる技術者が求められています。本校ではすべての学科において、データサイエンスやAI技術を学ぶことができる技術者教育体制を整えてきました。
これをさらに発展させ、電子情報工学科ではさらに高度な電子情報通信技術を学び、他の機械工学科、電気工学科、環境都市工学科、建築学科の4学科においては、各専門分野においてDX(デジタルトランスフォーメーション)技術関連の授業を加えた「情報科学融合コース」と今までの各専門科目をより高度化した「先進科学融合コース」に分けて学習を進めてもらうことになりました。
このコース選択は2年生になるときに行います。どちらのコースを選択しても、各専門分野の技術者として活躍できる内容を学ぶことができます。
学生の自由な発想を形にできます「オンリー1プロジェクト」
学生支援プログラムのひとつで、学生の自立心・向上心を高めることを目的としています。プロジェクトには自由部門と課題部門があり、チームまたは個人で企画書を提出し、採択された企画には10万円程度、総額100万円が援助されます。専門分野の研究に関連したことや、学生生活をより良くするための企画が毎年実現しています。

オンリー1プロジェクトで作成した多目的ワゴン
地域でも活躍中
本校のキャンパスがある津幡町や近隣の内灘町、金沢市、加賀市と連携協定を結び、環境やまちづくり、教育研究のさまざまな分野で協力を行っています。また、こども石川高専や公開講座、出前授業などを行い、ものづくりの面白さを発信しています。さらに地域主催のコンテストなどにも積極的に参加しています。

こども石川高専の様子
【石川高専へのアクセス】
■所在地
石川県河北郡津幡町北中条タ1
■電車
金沢駅→IRいしかわ鉄道線(富山方面利用) 津幡駅で下車(15分)、徒歩15分
■自動車
金沢東IC→国道8号線から県道215号線を俱利迦羅・七尾方面に20分