10代のうちに強くする! 骨のチカラ【月刊ニュースがわかる5月号】

卑弥呼 占いで神のお告げ伝え 民衆を支配する 

3世紀前半ころの人。当時の日本にあった29の小国が女王を立て、連合国家を形成したことで国が安定したとされる。占いや呪術で人々をしたがえた。近くの狗奴(くな)国と激しく戦っている間に亡くなったという。 

熱湯に手 やけどで解決

 魏志倭人伝(*)によると。邪馬台国(やまたいこく)の女王、卑弥呼(ひみこ)は神のお告げを受けた占いによって約30の小国を支配していました。科学のない時代、その占いは絶対的なものでした。卑弥呼は占いで神の意思を伝え、宮殿に入ることが許された弟が実際の政治を取り仕切っていたのです。

 当時、犯罪があると「盟神探湯(くかたち)」という裁判をしていたことが、日本書紀などに書かれています。そのやり方は、熱湯に容疑者の手を入れさせ、やけどをするかしないかで有罪か無罪かを占うというものでした。人気コント「熱湯ぶろ」のように「押すなよ!」と前フリする余裕もなく、もはや 拷問とも言える乱暴さです。科学が未発達の当時、真犯人は神への恐れもあって熱湯に手を入れる前に だいたい 自白したそうです。

 卑弥呼は239年から中国の魏にたびたび使者を送り、「親魏倭王」の称号と金印をさずかりました。しかし、邪馬台国があった場所は「魏志倭人伝」に記された道順の距離や方角にあいまいな点が多く、特定できていません。いまだに「九州説」「畿内説」を中心に論争が繰り広げられているのはそのためです。

*魏志倭人伝(ぎしわじんでん)……3世紀後半の中国の歴史書「三国志」のうち、倭人(日本人)について記された部分。日本の弥生時代を知る貴重な手がかりで、女王、卑弥呼が治める邪馬台国をはじめ当時の様子が2000字程度で書かれている。 

(「ニュースがわかる」2015年2月号の「レキッパ!!」より)