Q:各地にある来訪神は、離れた地域にあるのに、なぜ似てる?(東京都、小1)
「神様、来て!」共通する願い
A 文化財の保存などをしている国の機関、文化庁の文化財調査官・石垣悟さんに教えてもらいました。
2018年、秋田県の「男鹿のナマハゲ」など面やかぶりもの、泥などをまとった「来訪神」が家々を訪問する各地の行事10件が、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
ナマハゲなどの来訪神は、鬼ではなく神様です。正月や節分といった年の節目に、幸福を授ける存在として村などに現れます。人々が、人間ではとても及ばない特別な力を宿している神様の姿を想像し、見える形にした結果、今見ると怖いような表情になったそうです。
2018年に登録された無形文化遺産は仮面をかぶったり、仮装をしたりした来訪神で、東北と九州・沖縄に集中しています。しかし、それぞれが文化的につながっていたり、影響し合ったりしていたわけではないとされています。各地の人々がたくましい想像力で、身近な素材を使うなどしてつくりあげたものです。
仮装はしていませんが、四国や中国地方など各地に来訪神行事があります。子どもが普段着で家々をまわるものもあります。「そういったものを含めると1000以上はあったのではないか」と石垣さんは話します。村の外から来て祝福をし、災いをはらうという大本の考えは同じです。
なぜ各地にあるかというと、神様には、来てほしい時期に「異界」からやって来てもらいたいという願いが、日本のどこにでもあったからではないか、と推測されています。
今、来訪神行事には、担い手の高齢化という問題があります。もともと村の青年がやっていましたが、村外の人に頼んでいるところもあります。石垣さんは「行事のやり方、服装、面の作り方などは受け継がれるが、心の部分をつなぐのは大変。一世代、二世代前の人たちがどういう生活の中で、どのような気持ちでやってきたか知ってほしい」と話しています。【篠崎真理子】
(毎日小学生新聞2019年2月26日掲載)

なまはげの面は、角があったりなかったり、地区によってさまざまという=男鹿市で2024年12月、高橋宗男撮影。
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