Q:水害が多くなっている原因、対策を教えてください(千葉県、小5)
気候変動で雨増加、対策は流域全体で
A 日本の国土は、約7割を山地などが占め、世界の主要な河川と比べて、標高に対する河口までの距離が短く、急勾配になっています。このため降った雨は山から海へと一気に流れます。このような国土で、森林が減ったり大雨が降ったりすると、水害が発生しやすくなります。
特に近年は、大雨や短時間の強い雨の回数が増えています。国土の安全を守る国の役所・国土交通省によると、大雨について、1日あたりの降水量が200ミリメートル以上となる年間の日数を「1901年から30年」と「1990年から2019年」で比べると、直近の30年間は約1.7倍となり増える傾向にあります。また短時間の強い雨も増えています。1時間の降水量が50ミリメートル以上となる年間の回数を「1976年から85年」と「2010年から19年」で比べると、直近の10年間は約1.4倍の発生回数となっています。
大雨や短時間の強い雨が増える理由として、地球規模の気候変動が考えられます。天気などを扱う国の役所・気象庁によると、世界の年平均気温は19世紀後半以降100年あたり0.73度の割合で上昇しています。日本は100年あたり1.29度と、世界平均を上回るペースで上昇しています。気温が上がると、大気中の水蒸気量が増え、大雨や短時間の強い雨につながるとみられます。
そこで国土交通省は、水害に対して「流域治水」という考えを訴えています。雨が河川に流れ込む地域から河川があふれて浸水が想定される地域まで、河川の流域に関わる全員で水害の対策を行う考え方です。国などの行政が堤防やダム、放水路(増えた水を他に流す水路)を造る一方で、電力会社と相談してダムの能力を高くしたり、農家の人にお願いして大雨の際は田んぼに雨水を少しずつためてもらったりします。街中の池やため池も活用します。また流域に住む人の土地を高くするのに、補助金を出すこともあります。
一方、私たちが身を守るためにできることの一つにハザードマップを確認することがあります。河川の氾濫や堤防の決壊といった水害の被害を最小限に食い止めることを目的として、浸水が予想される区域や避難場所、避難経路などの情報が地図上で表されたものです。多くの市町村で作成されています。全国のハザードマップを紹介する国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」でも見られます。水害が心配されるような大雨が続く場合は、気象や警報に関する情報を常に集めることも重要です。
【毎日小学生新聞編集部・長岡平助】(毎日小学生新聞2022年1月18日掲載)

「地下神殿」と呼ばれる首都圏外郭放水路の調圧水槽=2025年3月10日、春日部市上金崎で萩原佳孝撮影
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