サブオと旅する「昭和100年」【月刊ニュースがわかる3月号】

無駄遣いをなくすために実践してほしい「お金⇒時間」の考え方

人を変えるのも、未来を変えるのも、日々の小さな習慣の力です。お金を稼ぐ力や、お金を遣う力も、日ごろの習慣によって養われるもの。毎日の小さな習慣で自分を整え、磨いていくことがお金の不安をなくし、今を楽しむことにつながります。この記事では、有川真由美氏のベストセラー書籍『お金の不安がなくなる小さな習慣』から、お金への安心感を得るために、今日から実践してほしい習慣をご紹介します。

 「むやみに欲しがらない」ことが時間と心の自由を手に入れる

「物を買うというのは、稼いだ金で買っているのではなく、労働をした時間で買っているのだ」と言ったのは「世界一貧しい大統領」と呼ばれたウルグアイのムヒカ元大統領でした。2012年、地球サミットでのムヒカ元大統領のスピーチは大きな反響を呼びました。

 古代ローマの哲学者セネカの「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」という言葉を用いて、経済発展のあり方や、ライフスタイルを見直すべきだと提言したのです。

 人びとは、家や車のローンを払うためや、さまざまな物を買うために働き続けて、あっという間に一生が終わってしまう。本来は、愛、人間関係、子育て、友だち、必要最低限のものをもつことなど、幸福であることをもっとも大切にすべきだと。

 私もそんな考え方に共鳴して、ムヒカ元大統領の妻、国会議員でもあるルシア・トポランスキーを取材。夫妻が収入のほとんどを慈善団体に寄付して、農業をしながら質素に暮らしている様子を見て、「むやみに欲しがらないことは品格であり、時間と心の自由を手に入れること」なのだと、すとんと腑に落ちたのです。

 支払うお金を労働時間に置き換えて考えよう

 それから「支払うお金」を「働いた時間や労力」に換算する習慣がつきました。

 私たちが1万円のものやサービスを買うとき、時給1000円の人なら10時間、10万円のものには約12日半の労働時間を差し出していることになります。

「この商品に、それだけの価値があるのか」と考えると、無駄遣いせず、本当に価値のあること、人や自分を幸せにすることに遣いたいと思うようになるのです。

 お金とは単なる交換の“道具”ではなく、“意味”があります。苦労して得たお金は大事に遣いたいし、「あぶく銭は身につかない」というように、浪費しがちです。

 支払うお金を、時間や労力に換算する習慣は、欲しがらない習慣にもなるのです。

有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。約50カ国を旅し、旅エッセイも手掛ける。著書はベストセラー「感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく」「30 歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)」「仕事ができて、なぜかうまくいく人の習慣」(PHP研究所)他、「感情に振りまわされない ― 働く女(ひと)のお金のルール」(きずな出版)、「好かれる女性リーダーになるための五十条」(集英社)など多数。

お金の不安がなくなる小さな習慣

この本は財テクや仕事術、節約術が書いてある本ではありません。
「お金の不安をなくし、安心して生きていくためにはどうすればいいか?」ということだけにフォーカスして、賢いお金の「遣い方」「稼ぎ方」「貯め方(活用の仕方)」「人とのつき合い方」「時間の使い方」「暮らし方」「考え方」の習慣が書いてあります。
もし、あなたがこの本にある習慣をひとつでも実行すると、いつもより少しばかり心とお財布に余裕が出てくることでしょう。