4月から、ブロッコリーが国民の食生活に欠かせない「指定野菜」に登録されました。指定野菜になると、どう変わるのでしょうか。どんな野菜なのでしょうか。
農林水産省は、今年4月からブロッコリーを「指定野菜」に登録しました。新たな追加は1974年のジャガイモ以来52年ぶりです。指定野菜は「野菜生産出荷安定法」という法律に基づいて定められます。生産や出荷を安定させて、消費者がいつでも野菜を食べられるように指定しています。
1年を通して安定した出荷を図るため、政府が需要(ほしがられる量)と供給(つくれる量)の見通しを立てます。ガイドラインを参考に、指定された産地で生産・出荷を計画的に進めます。天候や病気、害虫などで大幅に価格が下がった場合、政府から生産者に補助金が支払われるので、生産者の安心感も強くなります。
ブロッコリーが登録され、指定野菜は15品目になりました。ほかに、キャベツ、キュウリ、ニンジンなどがあります。指定野菜の次に重要な野菜を「特定野菜」として、34品目を指定しています。ブロッコリーはこれまで特定野菜の一つでした。
人口が減り、多くの野菜の出荷量や消費量が横ばいになる中、ブロッコリーは右肩上がりで増えてきたためです。ブロッコリーの出荷量は2022年が15万7100トンで、1990年の7万7000トンと比べてほぼ倍増。1人当たりの購入量も、540グラムから1619グラムと約3倍に増えました。2024年の出荷量は14万6400トンとやや減りました。
産地は北海道から九州まで国内各地に広がっています。2022年の作付面積は1万7200ヘクタールとなり、11年連続で過去最高を更新。20年前と比べるとほぼ倍増しました。特に北海道、香川県、長野県、徳島県、熊本県などで増えています。夏は北海道や長野県などの高冷地、冬は関東地方より西の温暖な地域で栽培され、一年中出回るようになりました。
ただ、冷凍ブロッコリーはまだ輸入品が多いです。外食店などで利用されるほか、家庭でも食べる機会が増えています。
ブロッコリーは緑黄色野菜の一つです。ビタミンやミネラル、カロテン、食物繊維などたくさんの栄養がふくまれ、「栄養素の宝庫」といわれています。
たんぱく質を多くふくんでいることから、トレーニングにはげむ人たちからも注目を集めています。ブロッコリーのビタミンCは、イチゴの約2倍、レモン果汁の2.4倍もふくまれています。ただ、ブロッコリーにふくまれるビタミンCは水に溶けやすいため、最小限の加熱がポイントです。
私たちがふだん食べているのは、つぼみと葉、茎の部分です。太い茎の部分は少し皮をむいて、食べやすいサイズにカットしてゆでれば、おいしく食べられます。

収穫直後の新鮮なブロッコリー=愛知県田原市で2026年4月30日
ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属で、カリフラワーやキャベツの仲間です。こんもりとした部分は「花蕾」といい、小さなつぼみがたくさん集まってできています。大きな花蕾を一つだけつけるタイプが主流ですが、小さな花蕾をつけるスティック状の茎ブロッコリーや、花蕾が紫色になる紫ブロッコリーなどもあります。
ブロッコリーは地中海周辺が原産で、日本には明治時代に伝わりました。栽培が広がったのは1945年に第二次世界大戦が終わった後で、食の洋風化とともに1970年代に食卓に並ぶようになりました。多くがアメリカからの輸入品でしたが、国内の産地が広がり、国産品に切り替わりました。
鳥取県の大山町を中心とした大山(標高1729メートル)の山ろくは、ブロッコリーの生産が盛んな地域です。この地域で育てられる「大山ブロッコリー」は、甘みと柔らかさが特徴です。火山灰からできた「黒ぼく土壌」と、昼夜の寒暖差を生かして栽培されます。
JA鳥取西部の金明尚徳さんは「ブロッコリーは栄養価が高く、レンジであたためるだけという調理の簡単さが人気の理由ではないでしょうか」と言います。選び方のポイントについて「つぼみがギュッとつまっているものを選ぶといいです」と教えてくれました。
おすすめの食べ方は「塩こんぶとごま油をからめ合わせたり、天ぷらにしたりしてもおいしいです」。さらに「茎の皮はキンピラにして食べられます。捨てるところはありません」とつけ加えました。
(2026年5月20日毎日小学生新聞より)
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