Q:種なしブドウはどうやって栽培する?(宮城県岩沼市、小5)
種からでなく接ぎ木で
A スーパーに行くとたくさんの種類のブドウが売られていますね。「デラウェア」や「シャインマスカット」、「ナガノパープル」は種がない人気の品種です。食べやすいとはいえ、種がないのにどうやって増やすのか気になりますね。東京農業大学でブドウの研究をしている石川一憲教授に教えてもらいました。
まずは種なしブドウの作り方です。ブドウの花が咲く前に、「ジベレリン」という植物ホルモンの液につぼみを房ごと浸すことで種なしブドウを作ります。ジベレリンは種から芽を出させたり、植物を成長させる働きを持つ物質で、植物の葉や種、根などの若い器官に多く含まれます。ジベレリンの作用でブドウの花は通常より4、5日早く開花します。花が咲き、おしべの花粉がめしべの先につくと、そこから花粉管が伸びます。めしべの元には将来実になる部分があって、その中には種になる部分があります。花粉管が種になる部分まで到達すると種ができます。しかし、ジベレリンの処理をすると通常より早く花が咲いているため、種になる部分がまだ出来上がっていません。だから花粉管が届いても種ができず、種なしのブドウになるのです。
では種なしブドウはどうやって増やすのでしょうか。ジベレリンを使わなければ種を作ることはできますが、種から育てるのではなく、「接ぎ木」という方法で育てられます。種なしブドウがなっていた木の枝を冬の間に切り取り、「台木」と呼ばれる別のブドウの苗木に接着させることで増やすのです。接ぎ木をすることで種なしブドウがなっていた木の性質がそのまま受け継がれます。種から作ると、同じ性質の木ができるとは限らないのです。この方法は栄養繁殖といって、ブドウに限らず他の果樹でも広く行われているそうです。
【田嶋夏希】(毎日小学生新聞2016年11月27日掲載)

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