Q:おなかがいっぱいなのにおやつは食べられるのはなぜ?(兵庫県神戸市、小3)
脳の働きで「別腹」 快感思い出し食欲
A ご飯を食べて満腹になっても、甘いデザートや、おやつなどの好物が出てくると、おなかいっぱいだったはずなのに食べられてしまうことがあります。これを「デザートは別腹」などといいます。
畿央大学の教授で、味覚と脳の関係について研究している山本隆さんに「別腹」の仕組みを聞きました。
「別腹」ができるのには、いくつかの原因があります。
(1)味の違うものは食べられる
ご飯を食べると、血液に含まれるブドウ糖や脂肪などの栄養分が増え、その情報が脳に伝わり、脳が満腹だと判断します。しかしこのとき、胃の中ははちきれそうになっているわけではなく、少し余裕があります。
人には、同じ味のものを食べ続けると、その味に満足してしまうという特徴があります。しかし満腹だと思っていても、違う味のものは、新しい気持ちでおいしさを感じます。これは、1種類だけでなくさまざまなものをバランスよく食べ、栄養を取るためです。甘みの少ないご飯を食べた後に、甘みの多いおやつやデザートが食べられるのは、このような性質によるものです。
(2)脳内に麻薬のような物質が出る
甘いものを食べると、脳を興奮させる麻薬のようなベータエンドルフィンと呼ばれる物質が脳内に出て快感を感じます。甘いものを見ると以前に食べて快感を感じた時のことを思い出し、意欲を高めたり前向きな気持ちを引き起こしたりするドーパミンという物質が出ます。このドーパミンが、食べたいという気持ちを生み出します。これは、梅干しを見ると唾が出るように、過去の経験と結びつけられたもので、食べたことのないものに対しては引き起こされません。
(3)胃を動かしてスペースを作る
甘いものを見てドーパミンが出ると、食欲を引き起こす働きのある、脳の摂食中枢を刺激します。すると、脳内には胃の活動を促すオレキシンという物質が出ます。胃の緊張をやわらげ、胃に入ったものを小腸に送り出し、デザートの入るスペースを空けるのです。
この三つの脳に関する働きが組み合わさって「別腹」が生まれているのです。【毎日小学生新聞編集部・田嶋夏希】<え・内山大助>
(毎日小学生新聞2020年12月8日掲載)


将棋の対局でも注目を集めるようになったおやつ。第75期王将戦七番勝負第1局2日目、午後に藤井聡太王将が注文した「完熟メロンまんじゅう」=静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で2026年1月12日、渡部直樹撮影
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