千客万来ニッポン どう考える?【月刊Newsがわかる7月号】

体のやわらかい人、かたい人 違いは? 【疑問氷解】

Q:体のやわらかい人、かたい人 違いはどうして?(東京都、小4)

関節の形など関係、一番は筋肉の伸び

 A 大阪行岡医療大学教授の前達雄さんに聞きました。前さんは、プロ野球・阪神タイガースのチームドクターも務め、運動と体の動きや関節の役割について研究しています。

 体の柔らかさにはさまざまな要素が影響しています。例えば脚の付け根の股関節の形によっては、開脚がしづらい人がいます。またホルモンの働きで、一般的に男性より女性の方が柔らかいとも言われています。

 ただ、一番影響するのは、筋肉の伸びやすさです。ひざを伸ばして立ったまま前屈すると、床に手のひらがつく人もいれば、指先すら届かない人もいます。これには太ももの裏にある大腿二頭筋や半膜様筋などを合わせた「ハムストリング」と呼ばれる大きな筋肉が関係しています。この筋肉がよく伸びると、手のひらまで床に近づけることができます。

 筋肉にはいくつかの種類があって、人間が意識して動かせる「骨格筋」は、線維の集まりです。この線維はサルコメア(筋節)と呼ばれる小さな筋肉が、何千、何万とくさりのようにつながってできています。ストレッチをすることで筋肉が刺激され、その刺激が続くと脳が反応して、サルコメアを増やします。サルコメアが増えると、筋肉が長くなるので、筋肉が動ける範囲が広がって、柔らかい体になります。

 筋肉の伸びやすさは、生まれつきの筋肉の質も関係しますが、子どもの場合は日常的にストレッチの習慣があるかどうかが大きいそうです。1カ月ほど毎日、筋肉を刺激し続けると、見違えるように体が柔らかくなるといいます。

 しかし、筋肉は縮む方向にしか力が働かず、勝手に伸びることはないので、ストレッチをやめるとすぐに元に戻ってしまいます。

 数回ストレッチをするだけで体が柔らかくなった感じにもなりますが、前さんは「これは筋肉が伸びるのではなく、筋肉を覆う膜や関節の周りの靱帯や線維が伸びているのでしょう」と説明します。

 体の柔らかさには、年齢も影響します。柔軟性を測るための長座体前屈の記録は、男子の17歳平均が51.71センチメートル、女子の17歳平均が49.94センチメートルで、男女ともに全年代で1位でした(2021年度)。その後は年齢が上がるほど、柔軟性が低くなっていきます。年を取るにつれて筋肉の質が変わり、どんどん伸びにくくなっていくためです。

 40~50代では、よほど特別な人でなければ基本的に体は硬いそうです。柔らかい体を保つには、少し痛みを感じる程度のストレッチで、毎日筋肉に刺激を与え続けることが必要です。【毎日小学生新聞編集部・田嶋夏希】(毎日小学生新聞2023年10月16日掲載)

★「疑問氷解」は毎日小学生新聞で月曜日(第1月曜日を除く)に連載中!      

有料ゆうりょう会員かいいんになるといろいろおとく

 ニュースがわかるオンラインの有料会員ゆうりょうかいいん(プレミアムプラン・DXプラン)になると、最新号さいしんごうはもちろん、2019ねん月号以降がつごういこうのバックナンバーが放題ほうだい
 プログラミング、温暖化おんだんか、プラごみ、SDGsなど役立やくだ内容ないよう充実じゅうじつ学校がっこうでの学習がくしゅうや、自由研究じゆうけんきゅうのアイデア、中学受験ちゅうがくじゅけん時事問題じじもんだいにもつよくなります。
 かくプランの特徴とくちょう、おもうみは以下いかから!