新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
動物の臓器や組織をヒトに移植する「異種移植」の研究が進んでいる。米国では2022年、 重い心臓病の男性に遺伝子を改変したブタの心臓を移植する手術が行われた。ブタはヒトと臓器の大きさや構造が似ており、異種移植に適した動物とされている。
日本の大学でも、ブタの組織を重い腎臓病の胎児に移植する臨床研究が計画されている。人工多能性幹細胞(iPS細胞*)を使って、ブタの体内でヒトの臓器を作る研究も始まっている。
背景には、移植用臓器の慢性的な不足がある。移植を待ちながら、手術を受けられずに亡くなる人は後を絶たない。ただ、長期的にブタの臓器が機能するかはわかっていない。米国で心臓移植を受けた男性は心筋が壊死するなどし、約2カ月後に死亡した。
*iPS細胞……人工多能性幹細胞の略称で、体のさまざまな組織の細胞に変化する能力をもつ人工の幹細胞の一種。皮膚などの細胞に特定の遺伝子を加え、その細胞になる以前の状態に「初期化」させて作る。京都大学の山中伸弥教授が2006年、世界で初めて作製し、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。再生医療や難治性の病気の原因究明、新薬の開発など、医療現場で実用化に向けた研究が進んでいる。
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