千客万来ニッポン どう考える?【月刊Newsがわかる7月号】

スクールエコノミスト2026 WEB【法政大学中学校編】

情報技術がもたらす「あったらいいな」

 学びを発展させる中3で取り組むのはエネルギー変換や情報の技術。エネルギー学習では発電機付きライトの電子基板や電池、モータ、導線、ギヤ、フレームなど31種類のパーツを使った製作課題を行う中で、電気・機械技術を習得。情報技術では、ブロックの言葉でプログラミングを学ぶ。テキスト型ではなくブロック型を選んだ理由を「枝葉ではなくプログラムの根幹を教えたい」からだと上山教諭。「1文字の打ち間違いで動かなくなるテキスト型は、プログラムの本筋とは違う能力(バグ取り。文章における文字校正のようなもの)が求められます。でも限られた時間をそこに割きたくはない」ただし使用している「micro:bit」は、テキスト型に随時切り換えられる優れもので、高校課程への接続も視野に入っている。

 小学校で未経験の生徒にも配慮しながら、「順次」「反復」といった情報処理の基礎から「分岐・フローチャート」や「変数とブール変数」へと論理の基礎体力を鍛えていく。やがては「無線通信を用いた双方向コンテンツ」「シーケンス制御(連続した命令を与えて処理させる)」までを学ぶ。

並行して、フレームに各種パーツを自由に組み込む機械分野の教材をプログラミング制御で動かす連携実技を導入することもある。
 集大成は「micro:bit」を駆使した自由課題だ。「あったらいいな」のテーマに対し、生活からヒントを得たツールや、ゲームなどを制作している。「東西南北を示す機能と加速度センサーを利用した『迷わない歩数計』や、特殊なブール変数を活用した『自動防犯ブザーライト』など、micro:bitにできることの幅いっぱいを使って考えたものが出てきますね」
 ものづくりの教育には時間も費用もかかるが大事な部分だと上山教諭は強調する。「義務教育では物事の根源を知ることが重要。昔はこうだったのが今ここまでできるようになったという始まりの部分をしっかり理解してほしい。だから設計図もCADではなく手書きのアナログに拘っています」

ものづくりを通して基礎から学んだ知識と技術を社会の身近な課題に応用する。キャリア教育に直結する自律的な学びが法政の技術家庭教育に込められている。

(文/高島正人)

「micro : bit」で学習するプログラミング授業の様子

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