深掘り! 太陽光発電【月刊Newsがわかる9月号】

なぜ鼻水は、しょっぱいのですか?【疑問氷解】

Q:なぜ鼻水は、しょっぱいのですか?(宮城県大崎市、小4)

血液中の塩分のため 体の水分維持に必要

 A 「風邪をひいていてお風呂に入っていたら、鼻水がたれてきてしょっぱいなと思った」というのが疑問を持ったきっかけだそうです。そういえば、汗も涙もしょっぱいですよね。子どものけがや病気への家での対処法を情報発信する「教えて!ドクタープロジェクト」のリーダーで、佐久医療センター(長野県佐久市)小児科医長の坂本昌彦さんに教えてもらいました。

 鼻水は、鼻の粘膜(鼻の穴をのぞくと見える薄い膜)からしみ出てきます。毛細血管(細い血管)が粘膜まできていて、血液を赤くしている「赤血球」という成分が粘膜で取り除かれ、しみ出してくるのです。つまり、鼻水は血液からできているのですね。

 血液は、赤血球や白血球などいろいろな成分からできています。その中には塩分も0.9%含まれていますから、しょっぱくなるのです。だから、大人も子どもも鼻水はしょっぱいですし、しょっぱさの度合い(濃度)もだいたい同じです。涙や汗がしょっぱいのも、血液からできているからです。

 血液に塩分が含まれているのは、塩分(塩化ナトリウム)は体の水分のバランスを整えたり、脳から体のあちこちへ神経を通じて命令を届けたり、筋肉を動かしたりするのになくてはならないものだから。例えば、汗をたくさんかいて体の水分が失われる「脱水」という状態になると、水だけでなく塩分も足りなくなります。ですから、脱水になって点滴をする場合は、点滴袋の中に水と塩分が必ず入っています。

 ところで、鼻水には、いったいどんな役割があるのでしょう。  

 一つは、細菌やウイルス、ほこりなどを体内に取り込まないようにすることです。風邪を引いている時に鼻水がたくさん出るのは、ウイルスを外へ追い出そうとする働きのため。鼻水がネバネバするのは、その方が菌やほこりなどの異物を捕まえやすいからです。捕まえて鼻水として流し出しますから、鼻水を無理に止める必要はありません。

 そして、二つ目の役割は、吸いこんだ空気を湿らせ、暖めること。乾燥した冷たい空気が肺に入り、肺を傷めてしまうのを防いでいます。寒いところに行くと、鼻水が出るのはこのためです。

 泣いた時にも鼻水は出ますね。目と鼻は、目のふちにある「鼻涙管」という細い管でつながっていて、涙はそこから吸収されて鼻へ流れます。だから、泣くと涙が鼻にあふれて鼻水が増えます。泣いた時に出る鼻水は、涙が混ざっているのです。涙に含まれる塩分は、鼻水とだいたい同じくらいです。

 昔は鼻水に色がついていると、菌が繁殖しているから抗生剤(細菌を殺したり、増えるのを抑えたりする薬)を使った方がいいという説や、治りかけているという説がありました。ですが、今はあまり根拠がないとされます。鼻水の色は体の状態で変わりますから、色だけで判断するのは当てになりません。

 鼻水から離れますが、最後にもう一つ、鼻の話で知っておいてほしいのは鼻血のことです。昔は首筋をたたいたり、ティッシュを鼻に詰めたりするのがよいとされていました。でも、ティッシュを詰めると、抜くときにかさぶたがはがれて出血しやすくなります。

 鼻血が出た時は、鼻をぎゅーっとつまんで、じっとしているのがいいです。鼻の真ん中の仕切りにあるキーゼルバッハという場所から出血していることが多いので、つまむことによって、この部分を圧迫して止血するのが効果的です。【毎日小学生新聞編集部・山根真紀】(毎日小学生新聞2024年5月27日掲載)

 ★「疑問氷解」は毎日小学生新聞で月曜日(第1月曜日を除く)に連載中!      

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