Q:妖怪と神と鬼の違いはなんですか。(岡山県玉野市、中1)
特別扱いの魂が神 災い及ぼす妖怪、鬼
A 妖怪研究を引っ張ってきた小松和彦さんに聞きました。2020年3月まで国際日本文化研究センターの所長を務めていました。
次のように話します。
まず知ってほしいのは、昔の人たちが「あらゆるものに魂が宿っている」と考えていたことです。人間はもちろん、動物や植物、それに道具も含めてすべてのものが、魂と物質からできていると考えました。魂は生きたり死んだりするもとです。魂が物質から抜けると、人間が死んだり植物が枯れたりします。このような考え方をアニミズムといいます。この魂が神になったり、妖怪や鬼になったりするのです。
神は、魂のうち選ばれて特別に扱われている魂です。家(神社)を用意して住んでもらい、食べ物を供えます。1年に1回、歌や踊りをお供えするお祭りをします。それは魂に静かにしていてもらうためです。魂は人間と同じように喜んだり、怒ったりすると昔の人は考えました。魂が怒ると人間に災いを及ぼします。大事にされて、優しい気持ちになっている魂が神です。人間に幸せを与えてくれるようにとまつりあげられています。
妖怪は、神のように特別扱いされておらず、人間に恨みをもって仕返ししようと現れた魂です。魂が大事にまつられていないと、怒って人間に病気や災害など何か悪いことをもたらす可能性があるのです。
魂は、昔は鬼と呼ばれました。百鬼夜行という絵には、さまざまな姿の鬼が夜中に行列で歩く様子が描かれています。たくさんの種類という意味で百という言葉が使われました。呼び方は鬼から化け物、そして妖怪へと変わってきました。妖怪のなかで、頭に角があって体がたくましく、虎の皮のふんどしをした姿のものだけが鬼と呼ばれるようになりました。妖怪のなかで人間の魂は、幽霊と呼ばれます。
妖怪も神も鬼も、魂の状態です。どんな魂も、鬼にも神にもなる可能性を持っています。神が大事にされなくなり、怒って人間に災いを及ぼすと、妖怪になります。妖怪がまつられると、神になります。昔の人は魂の状態は人間との関係によって変化すると考えたのです。【黒崎亜弓】<え・内山大助>(毎日小学生新聞2020年10月6日掲載)


「水木しげるロード」に置かれたねずみ男のブロンズ像=鳥取県境港市で2024年6月26日、大治朋子撮影
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