Q:ゴキブリの生命力はなぜ強いのですか?(大阪府寝屋川市、小4)
1匹から卵500匹分 夏放置で翌春増殖
A 夏になると、増えるゴキブリ。暗闇の中でガサゴソと動く姿はまさに「真夏の恐怖」です。ゴキブリは2億年前には誕生していたと言われます。ゴキブリの生態について「金鳥の夏」のコマーシャルでおなじみの大日本除虫菊(KINCHO)宣伝部の笹岡可奈子さんに教えてもらいました。
「一生のうち1匹のメスから生まれる幼虫は500匹程度ともいわれるほど、高い繁殖力があり、快適な温度と水、エサさえあれば、ゴキブリはどこでも生きることができます」と笹岡さんは指摘します。
高温多湿が大好き
ゴキブリは気温20度以下では活動がにぶくなる寒さに弱い昆虫で、冬になれば死ぬか休眠します。本来の活動の最盛期は夏ですが、暖房が普及した現代では冬場でも休眠することなく活動します。天井裏や床下、排水溝、新聞紙や段ボールのすき間、流し台の下などの高温多湿な環境を好み、「集合フェロモン」を出して「巣」をつくり、群れることで安全を守っています。「加えて、何でも食べる雑食性で、食べかすはもちろん、髪の毛や紙、ほこりなども食べます。ゴキブリの語源は、ふた付きのおわん『御器』もかぶる(食べる)ことから、御器かぶり→ゴキブリになったという説もあるんですよ」
ゴキブリは衛生面でも害を及ぼします。サルモネラ菌や赤痢菌などの病原体を付けたままキッチンやリビングなどを歩き回り、病原体をまき散らす可能性があります。「フンや死がいがアレルギー性鼻炎やぜんそくの原因にもなります。電線をかじってショートさせ、火事の原因になることもあります」
夏場のゴキブリを野放しにしてしまうと、夏の間にどんどん産卵・ふ化して、翌年の春に大量に増殖するかもしれません。家でよく見かけるクロゴキブリの場合、卵のまま冬を越すと、暖かくなる時期にふ化が始まり、幼虫をへて6月ごろから成虫になり始めます。卵は、長さ12ミリメートル、幅5ミリメートル厚さ3ミリメートル程度の「卵鞘」という硬いカプセル状の殻の中に12~40個の卵が入っています。メスは一生(外敵がいなくて快適な家の中では2~3年程度)の間に20回ほど産むといいます。1回平均25個として一生に500個の卵が産まれ、それが次の世代を産む成虫に育っていきます。

増えるのを防ぐには
ゴキブリが増えるのを防ぐには、どうすればいいのか聞きました。まず、食べこぼしや生ごみは放置しないこと。浴室周辺やトイレなど湿気の多い場所は換気した上、収納スペースの中にも注意して、除湿剤で乾燥させるといいそうです。植木鉢の下に置く水皿のくぼみなどは、格好のすみかになるので定期的にチェックしてください。段ボールはすみかとしても卵を産むにも最適な場所。早めに処分しましょう。もともと熱帯雨林の高温で湿っぽい落ち葉のすき間などに群れてすんでいたゴキブリ。そんなゴキブリのすみにくい環境を作ることが肝心です。【毎日小学生新聞編集部・長尾真希子】<え・内山大助>
(毎日小学生新聞2022年7月18日掲載)

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