千客万来ニッポン どう考える?【月刊Newsがわかる7月号】

スクールエコノミスト2026 WEB【聖徳学園中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は聖徳学園中学校を紹介します。

すべてが繋がる聖徳の探究学習とは? そこに秘められた社会で活きる学び

<注目ポイント>
①生徒の「好き」から始める。5年で世界へ繋がる学び。
②ものづくりを通じ、課題意識と創造力を同時に育てる。
③現地NPOとの協働。世界の課題に向き合い変化を創る。

教育ビジョンを実践するSTEAM教育

 聖徳学園では、建学精神である聖徳太子の「和」の教えを現代的に解釈した「世界とつながり、新しい価値を創造する人の育成」という教育ビジョンを実現させるため、様々な取り組みを行なっている。その1つが「Artと(liberal)Arts」を重視した教科横断と協働的なものづくりを採り入れたSTEAM教育だ。中1から高2までの5年間、段階的に展開されるプロジェクトを通して、生徒たちの視点は広がり、仲間から社会、社会から世界へと自分とのつながりを発見していく。そして社会に貢献する意識と、ものづくりを通した問題解決力が育まれ、その成果は3月に開催される『Shotoku STEAM FES』で発表される。

自分と仲間〜社会へと広がる探究学習

 中1ではSDGsをテーマとしたコマ撮りのクレイアニメーション制作に挑戦する。映像制作会社の勤務経験を持つ教員の指導のもと、1学期には知識や技術の基礎から学び、2学期からグループに分かれて本格的な制作に入る。SDGsについて各自が調べて、グループでのミニプレゼンテーションを繰り返して理解を深め、テーマを設定。その後、それに基づいたモチーフを決定し、ストーリーに落とし込み、実際の撮影は3学期から行なう。ストーリーについては国語、クレイモデル作成は美術、BGMの作成は音楽と、各教科を横断した総合的なプロジェクトだ。『Shotoku STEAM FES』では、現役の映画監督を招聘した『聖徳映画祭』を開催。完成した映画を全体で鑑賞し、映画監督やゲストとの質疑応答を経て、最終的に最優秀作品が選ばれる。昨年度は冷蔵庫を擬人化し、独自の視点で温暖化や不法投棄、海洋ゴミの問題を扱った『冷蔵庫の大冒険』が選ばれた。

 中2では「食堂メニュー開発プロジェクト」を実施。学内アンケートを活用しながら新メニューを企画し、食品サンプルも制作した。中3は地元の武蔵野市と中1のスプリングキャンプで訪れる新潟県阿賀町の地域課題に取り組む「恩返しプロジェクト」。ものづくりを通じて地域に恩返しする企画を立案する。高1では社会の小さな課題を解決したり、誰かを少しだけ幸せにしたりするようなゲームを制作する「ボードゲームデザインプロジェクト」。ゲームの駒などは3Dプリンターやレーザーカッターを活用して作成したアナログのボードゲームをデジタルファブリケーションでつくることを意識して取り組んだ。

 同校は実際に手を動かす「ものづくり」を重視する。「自分のアイデアが実体を伴って形になる喜びこそが探究への意欲を支える重要な要素。面白そうと思える課題があることで、生徒は未知の分野を学ぶ力を発揮する」と総合科主任の木村剛隆教諭はその意義を語る。

探究の研究発表をする様子

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