正解のない問いに向き合い続ける力を育成
SBBでは英国社会の影とも言える部分も、安全性を担保した上で詳らかにしている。最も真剣に議論が交わされたのは、移民が多い街・ブリックレーンでの体験だ。参議院選直後だったこともあり、争点となった外国人受け入れについて、生徒たちは自分たちの問題として向き合った。町中に落書きがあり、生徒たちは「怖い」と口にする。しかし目の前の事象はその発露に過ぎない。「自分たちの文化を変えずに広めていくのが自然の成り行きであり、当然そこには摩擦も起こる」と教員は語りかけ、本質を見極めるための議論を促す。生徒たちは日本のコンビニやレストランの店員に外国人が多い現実を思い浮かべながら、「政府はどういう準備が必要か」「ルールに従わない場合はどうするか」「深刻な労働力不足はどうするか」と議論を交わした。答えは出ないが、考えるべき問題がどこにあるのかを見極める訓練となった。バイキングの影響が残る町・ヨークでも、異文化流入について学びを深めた。異文化の流入は経済の活性化にはつながったが、文化や価値観、生活習慣の違いにより社会的秩序の乱れも生じた。異文化流入は経済面と社会秩序双方の観点から考える必要性があることを、生徒たちは実感していく。
また教会などの建築物を見学することで宗教と都市や人々との関係を考察するほか、心の拠り所となっていた当時の教会の役割についても学んでいった。特にバイキングの来襲後、貴重な書物等をダラム大聖堂に移動させ死守した歴史は、人々にとっての文化や思想、精神性の大切さを物語る。これは社会や国の核となるものが何であるかを思考する端緒となっていく。さらに2時間で英国2000年の歴史を辿る野外演劇も鑑賞したほか、今年はケンブリッジ大学も訪問し教育の伝統に触れた。
「帰国した生徒からは『考える癖がついた』『日本のことを知らないことに気付いた』『考えなければいけないテーマがいっぱい見つかった』などの声が聞かれた」と山崎大輔教諭(社会科)。人口にかいしゃする”多様性”への疑問や国際人とは何か、自国文化の理解、本質を見極める思考の大切さ。SBBもまた正解のない問いに向き合い続ける力を育む場となっている。
その他の国際プログラムと海外進学への道
上記の他にも「巣鴨サマースクール」はイートン校サマースクールと同様の体験を国内合宿で行い英国人講師から学ぶ。医療をテーマに据えた「Double Helix:Translation Medicine」では第一線で活躍する英国人医療関係者が来日。ハイレベルな講義内容に加え、生徒が強い印象を受けるのが講師たちの失敗談だ。失敗を通じて人格が磨かれた過程、活躍する現在の姿を知ることで、生徒は現状や未来においての勇気と希望、学びへの意欲をかき立てられている。
最後に、海外進学で特筆すべきは、英クライストカレッジ・ブレコン校との「フレンドシップアグリーメント」だ。この制度でオックスフォード、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの大学進学者を輩出している。
(文/松岡理恵)
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学校公式サイト https://sugamo.ed.jp
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国内外大学合格実績(過去3年間)
東京、京都、東京科学、一橋、北海道、東北、大阪、神戸(医)、筑波(医)、千葉(医)、信州(医)、富山(医)、福島県立医科、防衛医科、防衛、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、明治、東京慈恵医科、日本医科、順天堂(医)、昭和医科、東京医科、東邦(医)、日本(医)、北里(医)、国際医療福祉(医)、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、インペリアル・カレッジ・ロンドン、エジンバラ、シドニー、ハンガリー国立(医)など
※海外校への転籍者含む
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