フィジカルAIがひらく未来【月刊Newsがわかる8月号】

スクールエコノミスト2026 WEB【多摩大学目黒中学校編】

ベトナムとインド、さらに多くの国へ

 非英語圏を含む計9か国の国際プログラムから、ベトナムとインドを紹介しよう。

 ベトナム修学旅行には高2の希望者が参加する。ベトナム戦争の跡や戦争博物館の見学とグエン・ドクさん(米軍の撒いた枯葉剤に影響を受けた結合双生児)の講話から「つい最近まで戦争が行われていた」と感想を持つところから始まり、「今アメリカに対してどう思うか」など自分なりの質問を投げかけ、対話を通じて戦争と平和を考察。一方、日本企業の駐在員との懇談では海外で働く醍醐味に興味を抱き、地元大学生との街歩きで見る景色からは日本とはまた異なる発展の姿を肌で感じ取ることになった。

 毎年高校1・2年生10名あまりが参加するインドスタディツアーは、夏休みの研修先として一番多く手の挙がる渡航先だ。2025年度はバンガロールを訪れた。IT企業の集まる裕福な都市にも貧困層が歴然と存在する様子に戸惑いを隠せない生徒たちは、参加している他校の生徒とも意見を交わし、貧困と格差の解決策を考えるなど、自分事として深く考える姿勢が見られたという。「問題意識は大学進学後の研究テーマにも繋がります。実体験から導いた仮説を検証し、解決策を求める探究心こそが大切」と田村校長。

 さらに、生徒自らが国際体験を求めて活動しているのが「グローバルコミュニケーションクラブ」だ。「英語部」からの改称は部員たちの発案。「英語だけの時代じゃないでしょうと言い出して」と田村校長が頼もしく感じる彼らは、インドネシア人学校の生徒を文化祭に迎え、ウクライナの高校生とオンラインで繋ぎ、アフガニスタンやフランスからの女子留学生を招いて直接語らうなどの貴重な体験を重ねている。一つの体験が刺激になって次の体験を呼び、様々な国と交流したいという意欲がますます育っているのだ。

「生徒が自らやる気になる動機付けと環境の整備に注力したい」と語る田村校長。多摩大学目黒の国際教育は、やがて実る次世代のリーダーの種を撒き続けている。

(文/高島正人)

インドの弁護士を取材する様子

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