縄文人はスーパースター!?【月刊Newsがわかる11月号】

アメリカとイスラエルが攻撃 イランってどんな国【ニュース知りたいんジャー】

アメリカとイスラエルが、中東《ちゅうとう》にあるイランを攻撃《こうげき》しました。原油《げんゆ》の出荷《しゅっか》などがとどこおってしまい、影響《えいきょう》が世界《せかい》に広《ひろ》がっています。イランはどんな国《くに》なのでしょうか? なぜ戦《たたか》いが起《お》きたのでしょうか? 日本《にっぽん》との関《かか》わりも交《まじ》え、歴史《れきし》と現状《げんじょう》をおさえてみましょう。

 国《くに》の成《な》り立《た》ちはどうなの?

 イランは古代《こだい》に「ペルシャ」と呼《よ》ばれ、紀元前《きげんぜん》6世紀《せいき》にできたアケメネス朝《ちょう》、3世紀《せいき》にできたササン朝《ちょう》などで、大《おお》きな帝国《ていこく》として栄《さか》えました。7世紀《せいき》にアラビア半島《はんとう》でイスラム教《きょう》ができると、ペルシャにも広《ひろ》がりました。
 世界《せかい》のイスラム教徒《きょうと》のうち9割《わり》ほどがスンニ派《は》ですが、イランは9割《わり》ほどがシーア派《は》です。預言者《よげんしゃ》ムハンマドの後継者《こうけいしゃ》について、スンニ派《は》は話《はな》し合《あ》いで決《き》めるべきだと考《かんが》え、シーア派《は》は血筋《ちすじ》を重《おも》んじます。
 1979年《ねん》には、それまで独裁《どくさい》政治《せいじ》をしていたパーレビ国王《こくおう》に国民《こくみん》が反発《はんぱつ》して王制《おうせい》をたおす革命《かくめい》が起《お》きました。シーア派《は》の宗教指導者《しゅうきょうしどうしゃ》・ホメイニ師《し》が最高指導者《さいこうしどうしゃ》となり、シーア派《は》の教《おし》えに基《もと》づく仕組《しく》みに変《か》わりました。正規軍《せいきぐん》とは別《べつ》の軍事組織《ぐんじそしき》として「革命《かくめい》防衛隊《ぼうえいたい》」があります。女性《じょせい》にはヘジャブ(髪《かみ》をおおうスカーフ)の着用《ちゃくよう》を義務《ぎむ》づけるなど、保守《ほしゅ》的《てき》な文化《ぶんか》が色濃《いろこ》く残《のこ》っています。
 石油《せきゆ》や天然《てんねん》ガスなどの資源《しげん》に恵《めぐ》まれ、世界《せかい》有数《ゆうすう》の埋蔵《まいぞう》量《りょう》をほこっています。ペルシャじゅうたんは、美《うつく》しいもようが織《お》り込《こ》まれた伝統工芸品《でんとうこうげいひん》です。

 アメリカとはどういう関係《かんけい》なの?

 革命《かくめい》前《まえ》のイランは、パーレビ国王《こくおう》がアメリカを後《うし》ろ盾《だて》にしていて友好《ゆうこう》的《てき》でした。アメリカに石油《せきゆ》を売《う》る代《か》わりに戦闘機《せんとうき》などの武器《ぶき》を大量《たいりょう》に買《か》い、国王《こくおう》に近《ちか》い人《ひと》や都市部《としぶ》の住民《じゅうみん》は豊《ゆた》かになりました。一方《いっぽう》、地方《ちほう》や貧《まず》しい人《ひと》は取《と》り残《のこ》され、不満《ふまん》がたまっていました。
 1979年《ねん》に革命《かくめい》が起《お》きると、ホメイニ師《し》を支持《しじ》する学生《がくせい》らが首都《しゅと》テヘランのアメリカ大使館《たいしかん》を占拠《せんきょ》し、外交官《がいこうかん》ら52人《にん》を人質《ひとじち》にしました。事件《じけん》は解決《かいけつ》までに444日《にち》かかり、1980年《ねん》にイランとアメリカは国交《こっこう》を断《た》ちました。イラクがイランの石油《せきゆ》を目当《めあ》てに攻《せ》め入《い》って始《はじ》まった1980年《ねん》代《だい》のイラン・イラク戦争《せんそう》では、アメリカがイラクを支援《しえん》しました。
 2001年《ねん》9月《がつ》11日《にち》にアメリカ同時多発《どうじたはつ》テロが起《お》きた後《あと》は、当時《とうじ》のブッシュ(子こ)大統領《だいとうりょう》がイラン、イラク、北朝鮮《きたちょうせん》の3か国《こく》を「悪《あく》の枢軸《すうじく》」と呼《よ》んで敵視《てきし》を強《つよ》めました。

 日本《にっぽん》とはどんなつながりがあるの?

「ペルシャ」と呼《よ》ばれた現在《げんざい》のイランの地域《ちいき》と日本《にっぽん》は、古《ふる》くから交流《こうりゅう》の歴史《れきし》があります。奈《な》良《ら》・平安時代《へいあんじだい》の天皇《てんのう》ゆかりの宝物《ほうもつ》を納《おさ》めた「正倉院《しょうそういん》」(奈良市《ならし》)には、シルクロードを通《つう》じてペルシャにゆかりのあるガラスの器《うつわ》やお面《めん》が伝《つた》わっています。奈良市《ならし》の平城宮跡《へいじょうきゅうせき》からは、ペルシャ人《じん》の役人《やくにん》とみられる名前《なまえ》を書《か》いた木簡《もっかん》(細長《ほそなが》い木《き》の板《いた》)が見《み》つかっています。京都三大祭《きょうとさんだいまつ》りの一《ひと》つ「祇園祭《ぎおんまつり》」では、山鉾《やまほこ》のかざりとしてペルシャじゅうたんが使《つか》われてきました。
 1953年《ねん》には、出光興産《いでみつこうさん》のタンカー「日章丸《にっしょうまる》」がイランで石油製品《せきゆせいひん》を買《か》い付《つ》けて輸入《ゆにゅう》しました。当時《とうじ》は、イランが石油《せきゆ》の国有化《こくゆうか》を宣言《せんげん》し、イギリスの反対《はんたい》で多《おお》くの国《くに》がイランからの輸入《ゆにゅう》をひかえていただけに、イラン側《がわ》が日本《にっぽん》に親《した》しみを持《も》った出来事《できごと》として語《かた》り継《つ》がれています。日本《にっぽん》がバブル景気《けいき》にわいた1990年《ねん》前後《ぜんご》には、イランから数《すう》万人《まんにん》の労働者《ろうどうしゃ》が仕事《しごと》を求《もと》めて来日《らいにち》しました。
 イランの外務大臣《がいむだいじん》のアラグチさんは、2008年《ねん》から約《やく》4年《ねん》間《かん》にわたって駐日大使《ちゅうにちたいし》を務《つと》め、名前《なまえ》を漢字《かんじ》にした書《か》いた「新久《アラグ》地《チ》」の名刺《めいし》を持《も》ち歩《ある》いていました。

 アメリカはなぜ攻撃《こうげき》したの?

 アメリカとイスラエルは、イランが「核兵器《かくへいき》を製造《せいぞう》するのではないか」と疑《うたが》い、攻撃《こうげき》した主《おも》な理由《りゆう》にしています。アメリカは核保有国《かくほゆうこく》で、イスラエルも核兵器《かくへいき》を持《も》っているとされているのですが、イランが核兵器《かくへいき》を持《も》ち始《はじ》めると、特《とく》にイスラエルの安全《あんぜん》がおびやかされるというわけです。
 イランは1985年《ねん》ごろ、ひそかに核《かく》開発《かいはつ》を始《はじ》め、ウランを濃縮《のうしゅく》する施設《しせつ》を建《た》てました。2002年《ねん》にその秘密《ひみつ》が明《あか》るみに出《で》て、イランが「平和《へいわ》目的《もくてき》だ」と説明《せつめい》しても核兵器《かくへいき》製造《せいぞう》への疑《うたが》いが晴《は》れてきませんでした。
 2015年《ねん》にはアメリカやヨーロッパなど6か国《こく》とイランが核《かく》合意《ごうい》を結《むす》びます。イラン側《がわ》が核《かく》開発《かいはつ》で一定《いってい》の制限《せいげん》を受《う》ける代《か》わりに、経済制裁《けいざいせいさい》をゆるめる内容《ないよう》でした。ところが、2017年《ねん》に就任《しゅうにん》したアメリカのトランプ大統領《だいとうりょう》が一方的《いっぽうてき》に合意《ごうい》から離《はな》れ、イラン側《がわ》も「約束《やくそく》がちがう」として核《かく》開発《かいはつ》を進《すす》めました。また、イランは、ユダヤ人《じん》の国《くに》であるイスラエルを国家《こっか》として認《みと》めず、パレスチナを占領《せんりょう》することを非難《ひなん》してきました。レバノンのイスラム教《きょう》シーア派《は》組織《そしき》ヒズボラなどを支援《しえん》し、「抵抗《ていこう》の枢軸《すうじく》」と呼《よ》ばれるネットワークをつくり、イスラエルと激《はげ》しく対立《たいりつ》してきました。
 2025年《ねん》にトランプさんが再《ふたた》び大統領《だいとうりょう》になると、この年《とし》6月《がつ》にイスラエルとアメリカがイランの核《かく》施設《しせつ》を攻撃《こうげき》しました。アメリカとイランが改《あらた》めて核《かく》開発《かいはつ》をめぐる話《はな》し合《あ》いを続《つづ》けていた今年《ことし》2月《がつ》28日《にち》、アメリカはイスラエルとともに大《おお》がかりな攻撃《こうげき》にふみ切《き》りました。

イスラエルのネタニヤフ首相

 停戦《ていせん》の行方《ゆくえ》は?

 今回《こんかい》の攻撃《こうげき》で、イランでは最高指導者《さいこうしどうしゃ》のアリ・ハメネイ師《し》ら多《おお》くの要人《ようじん》が殺害《さつがい》されました。市民《しみん》をふくむ3000人《にん》以上《いじょう》が死亡《しぼう》したと報《ほう》じられています。新《あたら》しい最高指導者《さいこうしどうしゃ》には、アリ・ハメネイ師《し》の次男《じなん》のモジタバ・ハメネイ師《し》が選《えら》ばれました。
 イランは、ホルムズ海峡《かいきょう》で船《ふね》の行《い》き来《き》を禁止《きんし》して封鎖《ふうさ》しました。日本《にっぽん》はガソリンなどの材料《ざいりょう》となる原油《げんゆ》の9割《わり》以上《いじょう》を中東地域《ちゅうとうちいき》から輸入《ゆにゅう》しています。そのほとんどがホルムズ海峡《かいきょう》を通《とお》って運《はこ》ぶ必要《ひつよう》があり、原油《げんゆ》の輸入《ゆにゅう》がほぼ止《と》まってしまいました。世界的《せかいてき》に原油《げんゆ》が値上《ねあ》がりしています。
 アメリカとイランは7日《なのか》、2週間《しゅうかん》の停戦《ていせん》に合意《ごうい》しました。戦《たたか》いを終《お》わらせるために11~12日《にち》にパキスタンで話《はな》し合《あ》いましたが、もの別《わか》れに終《お》わりました。これを受《う》けて、トランプさんは、アメリカ軍《ぐん》によるホルムズ海峡《かいきょう》の「逆《ぎゃく》封鎖《ふうさ》」に乗《の》り出《だ》しました。ホルムズ海峡《かいきょう》は本来《ほんらい》、国際《こくさい》条約《じょうやく》で自由《じゆう》な行《い》き来《き》が認《みと》められていますが、武力《ぶりょく》によって支配権《しはいけん》が争《あらそ》われ、緊張《きんちょう》が続《つづ》いています。

(2026年ねん4月がつ22日にち毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

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