新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
国際社会は現在、「パリ協定」を基に、産業革命前からの気温上昇幅を1.5度以内に抑えることを目標としている。これには2050年ごろまでに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ(*)にすることが必要と試算されてきた。しかし、「2030年代の前半、一時的に1.5度を超えることは避けられない」との見方を強まり、目標達成は一層厳しさを増している。
2035年をめどにした温室効果ガスの新たな排出削減目標について、国連は当初、各国に2025年2月までに提出するよう求めた。しかし、期限内に提出したのは日本や英国などの1割にとどまった。目標の設定が遅れれば、対策は後手に回る。こうして2030年代に「1.5度」を超える度合いが大きくなればなるほど、削減・吸収が必要な温室効果ガスの量が増え、環境への影響も取り返しがつかなくなる。
また、国連環境計画(UNEP)によれば、各国がこれまでに国連に提出した排出削減目標を達成しても、今世紀末の気温は2.3~2.5度上昇すると予測され、「1.5度」目標には及ばない。二酸化炭素を回収・貯留する技術(CCS)も実用化は不透明で、温暖化対策の実施を様子見する企業も現れている。
*実質ゼロ……人間の活動による温室効果ガスの「排出量」から、植林や森林の管理などで「吸収される量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること。カーボンニュートラル、ネットゼロもほぼ同じ意味の言葉として使われている。
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