千客万来ニッポン どう考える?【月刊Newsがわかる7月号】

スクールエコノミスト2026 WEB【麻布中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は麻布中学校を紹介します。

“びっくり箱”の連続で磨かれる人間力。“最終学歴は麻布”という誇りの教育

<注目ポイント>
①創立者の理念を具現化した国際交流からの学び。
②国際交流がもたらす生徒の自主性と協調性。
③一時的な交流に終わらない継続的で良好な関係。

江原素六の原点に繋がる国際交流

 2025年に創立130周年を迎えた麻布学園。「青年即未来(青年こそが未来の扉を開く担い手であり、未来そのものである)」と唱えた創立者・江原素六は、早くから国際的な視野を持って活動していた人物で、未来の担い手である青年たちの可能性を信じて教育にあたった。そして今、「平和で安全な社会を築くことはこの世界で暮らす多種多様な文化を背景にした多くの人々の生活を認識することから始まる」と平秀明校長は国際交流の実践的意義を語る。
 その意義を具現化しているのが、同校の国際交流プログラムだ。
 ホームステイや学生寮に滞在する交流先として中国・河南省実験中学校、韓国・養正高校、イタリア・ジョットウリーヴィ高校、カナダ・ショーニガンレイクスクールという非英語圏を主力とする交流校のラインナップには確固たる信念があった。国際交流委員会の村本ひろみ教諭は「学ぶべきは語学よりも訪問先の文化や自分の価値観の発見や気づきを得ること」と語る。英語圏に偏らず、真のグローバリズムを大切にした学びの機会を創りたい。それは排外主義を戒め、未来の担い手を育むという創立者の思いに通じるのだ。

養正高校の生徒の案内でソウル観光を楽しむ

びっくり箱のような驚きと学びの連続

 海外交流における体験の中には、現地で直面するハプニングへの対応も含まれている。イタリアでは鉄道ストライキに遭い、代替のバスは大幅に遅延、帰国便に乗り継ぐための国内線は強風で飛ばず、バスで4時間かけて移動するもイスタンブール経由の遠回りな便に変更されるなどのトラブルに見舞われた。「普段の生活と異なりすんなりとはいかない海外での体験が、突発的なトラブルにも慌てず冷静に対処することを学ぶきっかけになれば」と中山雅之教諭はいう。
 また中国や韓国の場合、歴史問題や反日感情が話題に上るが、実際に交流した生徒たちはこの問題が単純ではないことに気づく。河南省実験中学校の中日班(日本語科)には日本文化が大好きという生徒が集まり、韓国の養正高校の交流クラスの生徒は、温かい思いやりをもって接してくれる。一方で、「反日」が現実のものとして存在することも感じる。しかしそれは日本も同じ。中国や韓国と地道な交流を続ける人もいれば、それを受け付けないという人もいる。ただ「好き」「嫌い」だけではない未来、ということを生徒たちは感じながらそれを昇華させていく。

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