チーム力を発揮する演劇部の人間教育
生徒会長のKさんの所属する演劇部の公演は年間20回を超える。通信制課程を含め多様性溢れる中高総勢77名が集う大所帯では、練習時間を合わせるだけでも大変だ。個々の予定をすべて一覧にしてイベントの日を決め、いつ何を準備するかを詰める。「一覧表の管理と調整は部員が自主的に。彼らはチームとして機能していますから」と、高3の学年副主任と演劇部顧問を務める英語科の今井友也教諭。「彼らのチーム力には本当に驚かされます」と話してくれたのが、2025年末の公演直前に部を襲ったインフルエンザ禍のエピソード。一度に10人が倒れ万事休すかと思われたとき、残りの部員たちが見事にその穴を埋めたという。「本番のキャストはAからDまで用意してはいるのですが、さすがにDに出番は……と普通なら思うところ、Dまで全員が完璧に仕上げていたのです。一人ひとりの姿勢に思わずグッときましたね」
目的達成のために手を抜かないのは、今井教諭が常日頃諭す「当事者意識を持ち、他人事にしない」を体現したものだ。その上で「自分にとって演劇はなんのためか、入部のきっかけを大事に」「一人でも観客がいれば舞台に全力を尽くすホスピタリティを大切に」と説く今井教諭は、部活の目的を「演劇の大会は技術点のないフィギュアスケートみたいなもの。採点に一喜一憂せず“賞よりSHOW”の精神で観客を喜ばせよう」と部員に伝え続けている。演技、照明、音響、舞台美術からフライヤーデザインまで生徒主体で運営しながら、日本大学芸術学部との強い高大連携によって経験を詰む部員たちは「プロのスタッフが組みたいと言ってくれる」レベルに達し、卒業後は日本大学芸術学部へ進学する例も多い。
地域イベントでの定期公演など生徒会とも重なる活動分野では、公演会場に合うテーマで新規に脚本を起こすなど地域社会に寄り添う姿勢が魅力。「“優しいね”“優しくないよね”が最近の口癖で。されて嫌なことはしない、してもらって嬉しいことをする。演劇は総合芸術ですから様々な知識や技術を身に着けられますし、セリフにないときの表情や仕草を深く考えることでコミュニケーションの機微を分析し消化する作業を常に積み上げています。部活を通じて社会で役立つ基本は育つ。そこに社会や他人への“プラス優しさ”を追求したいですね」と今井教諭は語る。
バランスの取れた進学校へと成功裡に移行しつつ、芸能に強い伝統も維持する目黒日本大学における学内外のあらゆる活動は、認知・非認知能力育成のための多様な学びへと通じている。地域を巻き込み自らの未来を築く生徒たちに期待したい。
(文/高島正人)

外部のプロ集団ともコラボする実力派の演劇部
所在地 〒153-0063 東京都目黒区目黒1-6-15
TEL 03-3492-3388
学校公式サイト https://www.meguro-nichidai.ed.jp
海外進学支援 有
帰国生入試 無
アクセス
目黒駅(JR線、東急目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線)徒歩5分
国内外大学合格実績(過去3年間)
東京外国語、東京学芸、電気通信、お茶の水女子、横浜国立、埼玉、山形、京都教育、東京都立、横浜市立、防衛、防衛医科、慶應義塾、早稲田、上智、日本(医)、杏林(医)、埼玉医科、東海(医)、久留米(医)、東京理科、明治、青山学院、立教、中央、法政、学習院、日本など
- 1
- 2