段階的深化と、専門性を活かした探究
中学から高校へと進む中で、海城の国語教育は論理的な思考を可能にする言語活動から現代社会の課題を読み解く力の育成へと、段階的に深化していく。評論の読解や近現代の小説、古典なども幅広く学ぶ中で、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションを通じ論理的思考を鍛え、対話・協働する力をさらに発展させる。
高3では、自身の未来に向けて入試問題演習にも取り組む。教員からの解説に加え、記述問題の解答をグループで検討する、互いの解答を添削し合うなど、これまで培ってきた対話する力、協働する力を活かしながら、入試問題を解く力を身につける。演習には、時事的・社会的な最先端の事象を敏感に迅速に取り上げる傾向がある大学入試問題を用いることが多い。これにより生徒は、現代の課題を読み解き、課題解決への思考を同時に培うことになる。
また、全学年を対象にした「探究」の時間では、生徒の興味に合わせて様々な科目から講座を選択できる。その中に「国語科のリレー講座(「日本文学食べ歩き」「文学総合講座」)もあり、各教員が自らの専門や興味関心のある分野について講義を担当する。講座では、村上春樹や大江健三郎といった作家研究から古典文法の探究、生成AIを活用した短歌作成など、多様な分野のテーマが扱われ、大学のゼミに近い形式で、少人数による深く、ハイレベルな学びの場となっている。
さらに、「KSプロジェクト」と称して、各教科のカリキュラムを超えた生徒の主体的な学びの場も設けている。通常の授業の枠に収まりきらない「とがった」興味・関心に応える講座、学外の活動に積極的に挑戦する講座など、ワクワクしながら学べる場となっている。その中では俳句甲子園への参加や、書評家・豊崎由美氏を招聘した『書評の集い』など、言葉と文学に関わる多様な活動も展開されている。
建学の精神の実現と、卒業生たちの未来
創立者・古賀喜三郎は、英国軍艦を訪れ、貴族出身の英国海軍士官の人間力に深く感銘を受けた。そして、リベラルかつフェアな精神を備えた「新しい紳士」の育成を志し、学校を設立したのが海城の始まりだ。
その教育の成果のひとつとして、海外大学への進学者の増加が挙げられる。模擬国連世界大会で日本人初となる事務総長賞(最優秀賞)を受賞した生徒がハーバード大に進学したことが、契機となった。その後、カリフォルニア工科大、トロント大、マサチューセッツ工科大など海外大学へ進学する生徒が続いている。そして彼らは一様に他者のために頑張りたいという思いも強い。カリフォルニア工科大に進んだ卒業生は、在学中にも経済的に恵まれない子どもたちに自主的に勉強を教える活動を行い、進学後も一時帰国時に「海外大学を目指す後輩たちのためのワークショップを開きたい」と提案。これを受けて生徒と保護者を集めてのワークショップが開催された。
このように海城の『新しい紳士の育成』という教育目標は卒業生の姿にしっかりと反映されているようだ。
(文/松岡理恵)
所在地 〒169-0072 東京都新宿区大久保3-6-1
TEL 03-3209-5880
学校公式サイト https://www.kaijo.ed.jp
海外進学支援 有
帰国生入試 有
アクセス
新大久保駅(JR山手線)徒歩5分
西早稲田駅(東京メトロ副都心線)徒歩8分
国内外大学合格実績(過去3年間)
コロンビア、マサチューセッツ工科、ミシガン州立、イリノイ、ジョージア工科、カリフォルニア、ヴァッサー、トロント、マギル、エジンバラ、東京、京都、東京科学、一橋、東京外国語、早稲田、慶應義塾、上智、東京理科、東京慈恵会医科、順天堂など
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